耳の症状
耳がかゆい
耳がかゆい
ほかにも、耳あかが溜まっている・耳の中の乾燥・外耳真菌症・喉の炎症やアレルギー性鼻炎による「かゆさ」もあります。耳がかゆいときの治療は原因ごとに異なりますが、基本的には耳の清掃・洗浄を行って、軟膏タイプの抗菌剤や抗菌薬の内服で細菌の増殖を抑えます。つらい「耳のかゆみ」でお困りの方は、かき壊す前に当院までお気軽に相談ください。
「耳がかゆい」症状から考えられる原因とは?
(画像)メディカルイラスト図鑑|耳の構造図
耳の炎症
耳の炎症の主な原因は、耳掃除のやりすぎなど物理的な刺激によるものです。
耳がかゆいからと、さらに綿棒などでいじってしまうことで症状が悪化する悪循環に陥りやすいので、かゆみが出たら早めに治療しましょう。
・外耳道湿疹(がいじどうしっしん)
外耳道湿疹は強いかゆみのほか、やや黄色味の透明な耳だれが出るのが特徴で、耳の穴の入り口付近(外耳道)の皮膚がガサガサ・じくじくしている状態です。
耳掃除のやりすぎが一番の原因ですが、シャンプーや点耳薬などの刺激や中耳炎などで出た耳だれが刺激となるほか、花粉症などアレルギーをお持ちの方にも起こりやすくなっています。
・外耳炎
かゆみや耳だれによる気持ち悪さから、余計に綿棒や爪で耳をいじって傷口ができ、そこから細菌感染を起こした状態です。
外耳道湿疹よりも強いかゆみと白っぽい膿状の耳だれが現れます。
耳たぶを引っ張ったり、押したりすると、より痛みが強くなる特徴があります。
・外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)
外耳道に真菌(カビ)が感染・繁殖する病気で、耐えがたい程のかゆみと耳だれ、耳が詰まった感じが現れます。
悪化すると塊ができることもあり、聴力に影響を及ぼしますので、時間をかけて、根気よく治療する必要があります。
耳あかが溜まっている場合
耳あかが溜まっていると、耳の中でガサガサ・ゴソゴソとするため、耳のかゆみを感じます。この場合には、耳あかを除去すれば治まります。自分でやりすぎてしまうと、さらに悪化してしまうこともありますので、耳鼻咽喉科を受診して頂くことをお勧めします。
ただし、あまりにも耳あかが溜まっている場合や硬くなっている場合には、数回の通院が必要なこともあります。
耳の中の乾燥
毎日耳掃除を行うなど、耳あかを取りすぎても、耳(外耳道)の皮膚表面のバリア機能が低下してしまい乾燥が起こり、かゆみを感じます。
そのほか、上咽頭炎(鼻の奥の突き当り部分の炎症)など喉の炎症を“耳が痛かゆい“と感じたり、散髪の際に切った短い髪の毛や小さなごみが入ったりすることでもかゆいと感じます。
「耳がかゆい」場合の検査
耳のかゆみの場合、基本的には問診・視診にて診断が可能です。
問診・視診
耳がかゆい症状のほかの自覚症状やアレルギー、耳掃除の頻度などについて、詳しくお伺いします。
また、内視鏡カメラを使って、鼓膜や外耳の状態を丁寧に確認します。
当院の内視鏡検査は、2つのモニターを設置して、患者様と一緒に耳の中や喉の状態を確認できるようになっています。
風邪が原因となっていないかをチェックしています。
細菌培養検査
外耳炎や外耳道真菌症が疑われる場合、耳だれや付着物を綿棒で採取して、細菌培養検査を行うことがあります。
結果が出るまで数日かかりますが、病原菌の種類の確認やどの抗菌薬が効きやすいかを調べるために有効です。
「耳がかゆい」場合の治療法
清掃・消毒
炎症による耳あかの蓄積や臭い汁(耳漏)、耳だれが見られることも多いので、まずは外耳道の清掃や消毒を行って、外耳道をきれいにします。
薬物療法
抗菌剤や抗真菌剤の点耳薬(耳に直接入れる薬)を使用して、細菌などの増殖を抑えます。
かゆみが強い場合にはステロイドの軟膏を使用する場合もありますが、長期使用は副作用のリスクを高めるため、短期間での使用に限られます。
そのほか、原因によって抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を併用することがあります。
耳だれの吸引
耳だれが出ている場合には、吸引管などで吸い取ります。
耳を触らないこと
綿棒など物理的刺激による耳の炎症が、耳のかゆみの原因であることがほとんどなので、できるだけ「耳をいじらない」ことも重要です。
トピックス:「耳がかゆい」原因は、花粉症だった!?
花粉症の3大症状というと、“鼻水・鼻づまり・目のかゆみ”が有名ですが、人によっては「耳の周り・耳の中や奥がかゆくなる」こともあります。
これは、スギ花粉などのアレルギー抗原が耳の外耳道や上咽頭(上あご・鼻の奥の方)に付着して、アレルギー反応を起こすことが原因となっています。
アレルギーが原因の場合には、抗アレルギー薬などを併用することで、かゆみが治まることがほとんどです。
花粉症シーズンにつらい「耳のかゆみ」が出てきた場合には、お気軽にご相談ください。
まとめ
耳あかが溜まれば、誰でも耳がかゆく感じます。
耳あかは、耳の入り口から1cmくらいの浅い部分に溜まるので、綿棒で優しく取り除いてみましょう。
しかし、“毎日耳掃除をしている方”の「耳がかゆい」は要注意です。
毎日の耳掃除で外耳道の状態が悪化すると、耳のかゆみはひどくなります。
ごく稀ですが、慢性的な外耳炎から頻回の耳掃除による刺激を原因とした「外耳道がん」も報告されています。
1回の耳掃除で耳のかゆみが治まらない場合や耳だれや耳の痛みを伴っている場合には、一度原因を調べ、正しい治療を受けるようにしましょう。
耳の症状
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耳鳴り
耳鳴りは、人口1,000人あたり、男性26.3人、女性31.8人に自覚症状があるというデータより、大田区全体では約21,000人、馬込地区では約1,600人と、多くの患者さんが悩まれている症状です。
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耳閉感(耳づまり)
耳の奥がこもり、詰まった感じがすることを「耳閉感(じへいかん)」といいます。 人によっては、「膜が張っているような感じ」「水が入った感じ」などと表現する場合もあります。
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難聴
難聴とは、何らかの原因で聴力が低下し、言葉や音が聞こえにくくなる状態です。
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耳がかゆい
「耳がかゆい」という理由で耳鼻咽喉科を受診する方は意外と多く、特に若い女性に多い傾向です。最近では、テレワークや在宅になったことで、イヤホンを使う機会が増えたり、自宅で耳掃除をする機会が増えています。原因の多くは、耳掃除のやり過ぎ・耳の触り過ぎによる「外耳道湿疹」「外耳(道)炎」です。ほかにも、耳あかが溜まっている・耳の中の乾燥・外耳真菌症・喉の炎症やアレルギー性鼻炎によるものがあります。
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耳あか(耳垢)
「耳あか(耳垢:じこう)」とは、読んで字のごとく、耳の中に付着した垢(あか)のことです。
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耳だれがでる(耳漏)
「耳だれがでる(耳漏:じろう)」とは、耳から液体が出てくることで、主に耳のどこかで炎症・化膿が起こっているサインです。
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耳が痛い(耳痛)
耳が痛くなる(耳痛)原因は、主に耳に炎症が起こる疾患で、お子さんの場合は「急性中耳炎」、大人の場合には「外耳炎」が多く見られます。 ほかにも、ムンプスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなどのウイルス感染、耳の周囲にある顎・喉の炎症や腫瘍が原因となる場合もあります。