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ビタミンE

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。血行促進やホルモンバランスなどを正常に保つ働きがあります。ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れましょう。

ビタミンEはビタミンB群の1つであり、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。また、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つことから、“若返りのビタミン”とも呼ばれています。ビタミンB群に属する栄養素としては...
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。

女性にとって大切な栄養素となり、不妊症や生理不順、更年期障害など、婦人科系特有の疾患などにも有効とされています。女性ならではの症状に悩んでいる方は、積極的に摂るように心がけてみてください。

ビタミンEって?


ビタミンEは、もともと1920~1930年代に不妊のネズミの実験によって発見された脂溶性ビタミンです。ビタミンEは4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールの合計8種類の化合物の総称です。「トコフェロール」は、tocos(子どもを産む)、phero(力を与える)、ol(水酸基をもつ化合物の総称)という意味からきています。

トコフェロールとトコトリエノールの違いは、炭素同士の結合が二重になっているかなっていないかです。二重になっているトコトリエノールのほうが柔軟性があるため細胞膜への侵入が良く、すばやく作用が発揮されます。

トコフェロール:持続性のある作用
トコトリエノール:即効性のある作用

※引用:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

ビタミンEには酸化防止作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守るのを助けます。また、ビタミンEのもつ強力なからだのサビ取り効果(抗酸化作用)が注目されるようになったことから、若返りビタミンなどとも呼ばれるようになりました。

※フリーラジカルとは....
摂取した食物が体内でエネルギーに変わる時に形成される化合物です。大気中にもタバコの煙や大気汚染、太陽からの紫外線によって発生したフリーラジカルが存在し、知らない間に人々は曝露を受けていることになります

その他にも、紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要なバリア機能を安定させてくれます。ビタミンEには血行促進作用があり、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促します。シミ・ソバカスが気になる方も積極的にとりたい栄養素です。

ビタミンEにはどんな働きがあるの?


●不飽和脂肪酸の酸化を抑制(活性酵素から体を守り、老化や生活習慣病を予防します)
●赤血球の溶血防止
●血行促進
●生殖機能(ホルモンバランス、自律神経安定)を正常に保つ

ビタミンE不足するとどんな症状が起こるの?


さまざまな食品から摂取できるため欠乏症は起こりにくいと考えられていますが、ビタミンEは不足すると細胞膜の脂質が酸化され損傷されることから、ごくまれに感覚障害や神経症状がみられることがあります。未熟児では赤血球がこわれておこる貧血が知られています。

下記に当てはまる方はビタミンE不足の可能性があります。

□過酸化脂質ができやすい(老化・シミ・動脈硬化・生活習慣病の元凶)
□生理障害・更年期障害
□生殖機能の衰え
□自律神経失調症
□肩こり・頭痛
□生理痛・生理不順・更年期障害
□筋萎縮
□関節痛・腰痛・冷え
□循環器疾患
□老化
□溶血性貧血
□動脈硬化
□不妊・流産
□小脳失調などの原因
□シミやシワができやすい方
□生活習慣病が気になる

ビタミンEを適切量、摂取する必要がある人は?


次のような方々には、より適切な量のビタミンE摂取をおすすめします。

□スポーツ選手
□日光を多く浴びる方
□喫煙者
□汚染物質の多い環境におられる方
□ストレスの多い方
□市販の揚げ物などをよく召し上がる方
□不飽和脂肪酸を多く摂る方
□病態を改善したい方

1日に必要な摂取量はどのくらいなの?


常の食生活ではとり過ぎになる心配はほとんどないので、積極的にとりたい栄養素のひとつです。体内に蓄積されにくい特性を持っていない面でも意識的に摂取しましょう。

しかし、過剰症になると出血傾向になるという害がみられます。特にサプリメントや薬などからの過剰摂取には注意が必要です。長期の過剰摂取により軽度の肝障害のリスクがあるため、目安量の摂取を心がけましょう。

ビタミンEは食べた後、タンパク質のボール(キロミクロン)に吸収されて運ばれていきます。このときタンパク質不足だと、このボールがつくれずにせっかく摂ったビタミンEが無駄になってしまう可能性があります。また、ビタミンEはあぶらに溶けるので、一緒に食べる脂質の量によって吸収率がちがってきてしまいます。ビタミンEを摂るときは、あぶらやタンパク質もしっかり摂りましょう。

※引用:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

下記は厚生労働省が日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書を基に、ポイントをスライドにまとめた一部です。厚生労働省の推奨量は、必要最低量であり、普段からこの量を摂取できていれば問題がないわけではありません

※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※妊娠中は6.5mg、授乳中は7.0mgが目安量とされています

ビタミンEを多く含む食材


ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。アーモンドなどのナッツ類や、植物油に豊富に含まれています。その他には、うなぎ、たらこをはじめとした魚介類、西洋かぼちゃ、アボカドなどにも多く含まれています。

脂溶性ビタミンであるビタミンEは、生で食べるよりも炒めものなど、油脂と一緒に摂取する方が吸収率が高くなります。酸化しやすい性質があるため、鮮度の良いうちに食べた方がいいでしょう。ビタミンC・βカロテン・セレンなどと一緒に摂ることで抗酸化力アップにつながります。

《ビタミンC》
ビタミンEには強い抗酸化力がありますが、ビタミンCはその抗酸化力作用をもっと高めてくれる効果があります。どちらも肌に良い効果をもたらす栄養素なので、合わせてとることで美肌効果がアップします。ビタミンCは熱に弱いため、調理する際は短時間の加熱で済ませてください。

《βカロテン》
β-カロテンは、緑黄色野菜や果物等に含まれている色素のひとつです。このβ-カロテンがからだの中でビタミンAになります。しかし、β-カロテンの一部はビタミンAにならず、酸化防止の働きもすることが最近わかってきました。ビタミンEは油と一緒に摂取することで吸収が良くなり、ビタミンCやβカロテンを同時に補うことで、さらなる力を発揮してくれます。

《セレン》
からだを守る重要な酵素と結びついて、働く必須ミネラルです。強い抗酸化作用を持ち、老化予防やがん予防効果につながるといわれ注目されています。ビタミンEと一緒に摂取するとより効果が発揮されます。

ビタミンEは、ビタミンC、ビタミンAと一緒に「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、抗酸化作用を持つ代表的な栄養成分です。ビタミンEとビタミンAは細胞膜に、ビタミンCは体液中に存在してそれぞれの持ち場で活性酸素による弊害から体を守っています。このため、緑黄色野菜を植物油で炒めるなどして、それぞれを豊富に含む食品をいっしょにとると効果的です。

まとめ


ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。

私たちは、ビタミンEの約2割をサラダ油・ドレッシング・マヨネーズ・野菜ジュースなどの「見える油」から摂っていると言われています。しかし多くの食品には身体に悪い物質も入っています。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れることで、しっかり健康管理ができます。もちろん、ナッツや野菜、魚介類などからも積極的に摂取することを心がけましょう。まずは毎日摂りやすい食品からはじめてみてください。

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  1. パントテン酸 (ビタミンB5)

    パントテン酸はさまざまな代謝やホルモン合成などを正常に維持することに役立っています。パントテン酸が不足すると、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまい、イライラや不眠や倦怠感などが出てきてしまうので、気になる方は積極的に摂取していただきたいです。

  2. ビタミンB2

    ビタミンB2は脂質・糖質・タンパク質が分解されエネルギーにかわる際にサポートする栄養素です。不足してしまうと、口内炎ができてしまったり、肌・髪のトラブルが出てきたりと様々あります。きちんと食事を摂っていてもビタミンB2は水に流れやすいので、実は不足しているという可能性があります。食事やサプリなどで意識的に摂取するようにしましょう。

  3. ビタミンB6

    ビタミンB6は、胎児期および乳児期の脳の発達や、免疫機能にも関与しているので大人だけでなくお子さんにも大事な栄養素です。腸内細菌によってもつくられることから、一般的にはきちんとした食事を毎日摂っていれば不足しにくいのですが、発育期のお子さんや月経中や妊娠中・授乳中の女性、抗生剤を長期間飲んでいる人などは積極的に摂取したい栄養素です。

  4. ビタミンB12

    ビタミンB12は血液をつくったり神経の機能を正常に保ったりするのに重要な役割を果たす私たちの身体の大事な栄養素です。欠乏すると貧血や不眠症、胎児・乳幼児の成長不良などにつながります。ビタミンB12は食品に添加されることがありますが、なるべく食品そのものから摂取することが望ましいです。

  5. ビタミンD

    ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。摂取は食べ物からと日光から得ることができます。紫外線対策をされている方はビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。

  6. ビタミンE

    ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。血行促進やホルモンバランスなどを正常に保つ働きがあります。ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れましょう。

  7. ビタミンK

    ビタミンKはビタミンB群の1つであり、止血や骨や歯を丈夫にするなどの効果があります。新生児や抗生物質を長期間飲んでいる人は欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのがおすすめです。

  8. 葉酸

    葉酸はビタミンB群の1つです。妊婦さんに限らず、年齢問わずに女性、男性、子どもにも大切な栄養素です。葉酸が欠乏すると貧血やめまいなどが起こると言われています。妊娠中の方以外には特にアルコールをよく摂取する人や、欠食の習慣があり食事量が少ない方、極端な偏食がある方などは不足しているかもしれませんので積極的に摂取を心がけましょう。

  9. ビタミンB3(ナイアシン)

    ナイアシンは、500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、アルコールの代謝など様々な機能に関わっています。二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、アルコールをたくさん飲む人はナイアシンを積極的に摂り入れましょう。

  10. ビタミンB1

    日本人が1番最も不足しやすいと言われるビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生するためにとても大切な役割を果たすビタミンです。そのため「食欲不振」「イライラ」「だるさ」「動悸」「息切れ」などが生じます。多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。

  11. ビタミンC

    ビタミンCはビタミンB群の1つであり、コラーゲンを生成し、血管・皮膚・粘膜・骨を強くし、免疫力を高めるなどの働きがあります。ストレスが多いと欠乏しやすいので、なにかと忙しい現代社会の中でストレス解消法を持つことが大切です。肌にハリ・ツヤなどの美容への期待や風邪や感染症などを防ぐのはもちろん、最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。

  12. ビタミンA

    口・鼻・喉・肺・胃などの粘膜を守り、がんの発症を抑えるビタミンA。髪や爪・美肌などの美容に必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しています。風邪をひきやすかったり、がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたいなどの方は、積極的にビタミンAを摂取するよう心がけましょう。