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ビタミンK
ビタミンK
ビタミンKはビタミンB群の1つであり、止血や骨や歯を丈夫にするなどの効果があります。新生児や抗生物質を長期間飲んでいる人は欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのがおすすめです。
ビタミンB群に属する栄養素としては...
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸などがあります。ビタミンB群はどれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互い助け合いながら働きます。加齢やダイエット、女性ホルモンの低下によって、骨密度は減少していってしまいます。骨密度が低下し、重症化すると骨粗しょう症を発症します。女性に多いこの病気は、要介護の引き金ともなるため、若いうちからカルシウムの吸収を助けるビタミンKとビタミンDを一緒に摂り、骨密度アップを心がけていくことが大切です。
目次
ビタミンKって?
1929年にデンマークのH.Damがニワトリの実験をしていたときに偶然発見された 、油脂に溶けるビタミンです。その後、オランダ語の「凝固(Koagulation)」という言葉にちなんで、ビタミンKと呼ばれるようになりました。
出血したときなどに血液を固める必要なたんぱく質の合成は、このビタミンによるものです。また、同時に骨や歯に含まれるカルシウムの流出も防ぎ、結果として骨を丈夫にする働きも持っています。
天然のビタミンKには2種類あります。植物でつくられるビタミンK1(フィロキノン)と、細菌や動物体でつくられるビタミンK2(メナキノン)です。
■フィロキノン(ビタミンK1)・・・緑黄色野菜に多く含まれる
例:ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、トマト、海藻類など
■メナキノン-4(ビタミンK2)・・・主に微生物がつくる
例:チーズなど動物性食品
■メナキノン-7・・・メナキノンの中でも骨粗しょう症への期待が高まっている
例:納豆
食べ物の中にあぶらに溶けて存在するビタミンKは、食べた後からだの中で加工をうけて小腸の上の方で吸収されます。吸収されたビタミンKは、ほかの脂溶性ビタミンと一緒にタンパク質のボール(キロミクロン)に取り込まれ、リンパ管を経て血液にのって全身に運ばれていきます。
ビタミンKにはどんな働きがあるの?
●血を止める
●骨や歯を丈夫にする
●動脈の石灰化を防止する
ビタミンK不足するとどんな症状が起こるの?
下記に当てはまる方はビタミンK不足の可能性があります。
□出血傾向がある
□脳出血
□血液凝固時間延長
□骨の異常
□下痢
ビタミンK不足になりやすい人は?
ビタミンKを取っていていても下記に当てはまる方はより多くのビタミンKが必要となります。症状が気になる方はかかりつけ医にご相談ください。欠乏状態になると慢性栄養失調、内出血、鼻血、月経過多などの症状が起きる可能性があります。
□新生児
ビタミンKは腸内細菌によってもつくられます。よって、腸内細菌叢の定着していない新生児で欠乏を起こしやすくなっています。ビタミンKは母乳に少ないため、乳児ビタミンK欠乏性出血症(頭蓋内出血)を起こす場合があるとも言われています。
□抗生物質を長期間飲んでいる人
抗生物質連用者でも腸内細菌叢が乱れてしまうため、ビタミンK欠乏になってしまう可能性があります。
□肝疾患があり胆汁分泌がよくない人
ビタミンKの吸収には胆汁を必要とすることから、胆道閉鎖、肝不全などでも欠乏が危ぶまれます。
1日に必要な摂取量はどのくらいなの?
ビタミンKは腸内細菌によってもつくられますし、緑黄色野菜に多く含まれるため、きちんと食事を食べている場合は不足する心配はほとんどありません。ただし、先ほど「不足しやすい人」に挙げた通り腸内細菌の活動が未熟な乳児や、抗生物質の摂取によって働きが弱まっている人は、ビタミンKが不足する恐れがあります。現在日本では、頭蓋内出血を予防するため、新生児にビタミンKシロップの投与をしています。ビタミンKは油溶性ビタミンのひとつですが、通常の食生活では過剰症の報告はされていません。
※頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ):頭を打ったりして頭蓋骨の内側に出血が起きる状態ですぐに症状が出ないため、頭を打った後少なくても1~2日は安静にし、様子をみる必要があります
抗生物質を長期服用していたり、いくつかの薬を服用している方は担当主治医と相談してみてください。食べ物や必要であればサプリメントから適切な量を摂取するようにしましょう。
下記は厚生労働省が日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書を基に、ポイントをスライドにまとめた一部です。厚生労働省の推奨量は、必要最低量であり、普段からこの量を摂取できていれば問題がないわけではありません。
※引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンKを多く含む食材
ビタミンKは、藻類、野菜類、豆類、肉類、乳類、卵類、油脂類に多く含まれています。骨にカルシウムを沈着させるために必要となる栄養素ですので、カルシウムが体外に排泄されるのを抑えるはたらきもあります。乳製品や小魚、大豆製品など、カルシウムが豊富な食材と栄養面で相性抜群です。
また、発酵することによって増加することがわかっており、特に「メナキノン-7」の納豆が非常に多いです。1パック(40g)に240μgも含まれています。納豆を日常的に食べている人は、食べていない人と比べてビタミンKの摂取量が約2倍であるという調査結果が報告されています。納豆菌由来のビタミンK(ビタミンK2-7)をとった場合、骨粗しょう症の予防に役立つことが期待されています。
その他には、こまつ菜やほうれん草などの緑黄色野菜にも多く含まれています。血栓を防ぐためにワルファリン(血液を固めないようにする薬)を服用している方が、ビタミンKを多く摂取してしまうと、血中ビタミンKの値が高くなり、薬の効き目が弱まることがあります。服用している方は医師に相談の上、納豆、ブロッコリー、ほうれん草などビタミンKを多く含む食品は避けた方いい場合もあります。
ビタミンKは脂溶性で熱に強い性質を持つので、炒めものなどの油を使った調理がおすすめです。あぶらに溶ける性質があり、その吸収率は一緒に食べる食べ物のあぶらの量などによって大きく変わってきます。健康な大人のビタミンKの吸収率は高い場合で70~80%、低い場合10~20%といわれます。
ビタミンKを摂るときは、運んでくれるタンパク質のボール(キロミクロン)をつくるタンパク質をしっかりと、良質なあぶらと一緒に摂りましょう。
また、ビタミンK2とビタミンD3を一緒に摂ることが骨密度を増やすといわれます。骨粗しょう症を患う女性を対象に、ビタミンK2とビタミンD3摂取による骨密度の変化を測定したところ、ビタミンK2とビタミンD3を2年以上同時摂取することで骨密度が増加することが認められています。
※引用:オーソモレキュラー栄養医学研究所
まとめ
ビタミンKは、体内でも作られる栄養素です。ビタミンKにはK1・K2の2種類があり、体内で作られるのはビタミンK2。ビタミンK2は微生物により生み出されます。
発酵食品である納豆やチーズに含まれ、腸内細菌により体内でも作られるのです。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのもおすすめです。体内で作られる量に関しては、それのみでは必要量を満たすことができません。そのため、腸内で作られているからといって食事をおろそかにせず、きちんと摂取するようにしましょう。
毎日の食事の中で摂取できるのが一番ですが、難しい場合もあります。そんな時はサプリメントなどで補ってあげるのも一つの方法です。骨や歯を丈夫にするためにも、ビタミンKの摂取を意識していきましょう!
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パントテン酸 (ビタミンB5)
パントテン酸はさまざまな代謝やホルモン合成などを正常に維持することに役立っています。パントテン酸が不足すると、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまい、イライラや不眠や倦怠感などが出てきてしまうので、気になる方は積極的に摂取していただきたいです。
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ビタミンB2
ビタミンB2は脂質・糖質・タンパク質が分解されエネルギーにかわる際にサポートする栄養素です。不足してしまうと、口内炎ができてしまったり、肌・髪のトラブルが出てきたりと様々あります。きちんと食事を摂っていてもビタミンB2は水に流れやすいので、実は不足しているという可能性があります。食事やサプリなどで意識的に摂取するようにしましょう。
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ビタミンB6
ビタミンB6は、胎児期および乳児期の脳の発達や、免疫機能にも関与しているので大人だけでなくお子さんにも大事な栄養素です。腸内細菌によってもつくられることから、一般的にはきちんとした食事を毎日摂っていれば不足しにくいのですが、発育期のお子さんや月経中や妊娠中・授乳中の女性、抗生剤を長期間飲んでいる人などは積極的に摂取したい栄養素です。
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ビタミンB12
ビタミンB12は血液をつくったり神経の機能を正常に保ったりするのに重要な役割を果たす私たちの身体の大事な栄養素です。欠乏すると貧血や不眠症、胎児・乳幼児の成長不良などにつながります。ビタミンB12は食品に添加されることがありますが、なるべく食品そのものから摂取することが望ましいです。
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ビタミンD
ビタミンDはビタミンB群の1つであり、カルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素です。摂取は食べ物からと日光から得ることができます。紫外線対策をされている方はビタミンD産生能力が低下することに加え、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。
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ビタミンE
ビタミンEは抗酸化力が高く、実にさまざまな働きを持っているとても大切な栄養素です。血行促進やホルモンバランスなどを正常に保つ働きがあります。ビタミンEは多くの食品に自然に含まれるだけでなく、酸化防止剤として食品に添加されることもあります。食品を購入する際には裏面の原材料表示を確認し、良質の植物油を選んで積極的に摂り入れましょう。
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ビタミンK
ビタミンKはビタミンB群の1つであり、止血や骨や歯を丈夫にするなどの効果があります。新生児や抗生物質を長期間飲んでいる人は欠乏しやすいので積極的な摂取が必要になります。カルシウムを豊富に含む食品と合わせて摂るのがおすすめです。
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葉酸
葉酸はビタミンB群の1つです。妊婦さんに限らず、年齢問わずに女性、男性、子どもにも大切な栄養素です。葉酸が欠乏すると貧血やめまいなどが起こると言われています。妊娠中の方以外には特にアルコールをよく摂取する人や、欠食の習慣があり食事量が少ない方、極端な偏食がある方などは不足しているかもしれませんので積極的に摂取を心がけましょう。
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ビタミンB3(ナイアシン)
ナイアシンは、500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、アルコールの代謝など様々な機能に関わっています。二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、アルコールをたくさん飲む人はナイアシンを積極的に摂り入れましょう。
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ビタミンB1
日本人が1番最も不足しやすいと言われるビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生するためにとても大切な役割を果たすビタミンです。そのため「食欲不振」「イライラ」「だるさ」「動悸」「息切れ」などが生じます。多くの食物に含まれていますが、体に貯蔵できず排泄されやすいため、知らない間に不足している場合もあります。
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ビタミンC
ビタミンCはビタミンB群の1つであり、コラーゲンを生成し、血管・皮膚・粘膜・骨を強くし、免疫力を高めるなどの働きがあります。ストレスが多いと欠乏しやすいので、なにかと忙しい現代社会の中でストレス解消法を持つことが大切です。肌にハリ・ツヤなどの美容への期待や風邪や感染症などを防ぐのはもちろん、最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。
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ビタミンA
口・鼻・喉・肺・胃などの粘膜を守り、がんの発症を抑えるビタミンA。髪や爪・美肌などの美容に必要不可欠ですし、高齢者の皮膚の感想などもビタミンA不足が関与しています。風邪をひきやすかったり、がん・動脈硬化・心臓病の予防をしたいなどの方は、積極的にビタミンAを摂取するよう心がけましょう。