体がだるく、疲れやすい。動悸や息切れがする。あまり食欲がない……。ちょっとした体の不調が、実は貧血が原因の可能性があります。貧血を引き起こすもととなっている原因を突き止めずに放っておくと、危険な病気が隠れているのに気がつかない場合もあります。決してあなどってははいけないのが貧血です。
貧血は、栄養が不足することで起きることがあります。なかでも一番多くみられるタイプが「鉄欠乏性貧血」です。貧血の70~80%が、鉄分が欠乏するために起きる貧血だといわれています。鉄欠乏性貧血は、鉄分不足の偏った食事や過度なダイエットで引き起こされることがあるほか、病気などによる出血でも起こります。また、胃腸での鉄分の吸収に問題があるときに起こる場合もあります。
あなたには下記のような症状はありませんか?
貧血チェックリストより当てはまるものはないかチェックをつけてみてください✅
□疲れやすい □眠れない □階段で息が切れる □めまい、立ちくらみをよくおこす □爪が薄い、または割れている、へこんでいる □顔色が悪い □氷を大量に食べてしまう □月経の出血量が多い □胃を施術した経験がある □食事に偏りがある 肉を食べることが少ない □よく頭が痛くなる □肌荒れ □髪のパサつき □イライラする |
鉄不足はこのチェックシートの項目以外にも加工食品やインスタント食品を食べる機会が多い人、外食が多い人なども気をつける必要があります。
当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
第4回目の今回は、前回に引き続き、レバーレシピです。今回は、大人向けレバー料理の紹介です🍳
普段のご飯でももちろんいいですが、ご友人を呼んでのパーティーや女子会などで活躍するレシピです。
レバーパテ
材料
鶏レバー 250グラム
玉ねぎ 1/4個(50グラム)
セロリ 1/4本(50グラム)
ニンニク 1かけ
牛乳 250ml
赤ワイン 大さじ3
オリーブオイル 大さじ3
塩 小さじ1
作り方
1、 鶏レバーの筋を切り落とし優しく洗い牛乳200mlに20分ほどつける
2、にんにくは薄切り、玉ねぎ、セロリはみじん切りにする
3、フライパンに 1 のにんにく、オリーブオイルを入れ炒める
4、オリーブオイルからニンニクの香りがふわっと出てきたら 1 の玉ねぎ、セロリを炒める。玉ねぎ、セロリが、しんなりしてきたら 1 のレバーを軽く洗い水気をキッチンペーパーなどでふき加える
5、レバーの表面に焼き色がついたら赤ワインを加え軽く潰しながら煮こむ。その後、塩で味を整える
6、粗熱がとれたらフードプロセッサーに入れて柔らかくなるまで混ぜ、牛乳 50ml を入れ滑らかになるまで混ぜる
*牛乳の代わりに生クリームを使うともっとコクがでます
完成!✨
クラッカーに付けたり、野菜にディップしたり、ワインなどお酒に合いますのでたまにはご褒美タイムを作ってお召し上がりください!
もし、貧血になったら?〜貧血に効果のある食事のポイント〜
貧血は血液をつくる栄養素の不足によって起こる病気の1つです。
血液の中の赤血球の大きさが基準より小さい場合の貧血を鉄欠乏性貧血(小球性貧血)といいます。原因は、鉄の摂取量が足りなくヘモグロビン(血色素)が十分につくられないために赤血球の大きさが小さくなってしまいます。ヘモグロビンが少ないために酸素を運搬する力が弱まり、顔色が悪くなったり、動悸(どうき)や息切れ、めまい、頭痛、疲れやすいなどの自覚症状が現れてきます。貧血という病気は原因によっていろいろな種類がありますが、最も多いのは鉄分が欠乏して起こる鉄欠乏性貧血です。
鉄分不足が特に女性に多いのは、生理、出産等の出血や更年期の生理不順、成長期や妊娠、授乳期には鉄の必要量が増えるため、男性より女性の方が鉄が欠乏しやすい状況にあります。鉄分は体に必要不可欠な栄養素ですが、体内で生成することができないので積極的に食事から取り入れなければなりません。
1)鉄の多い食品をとる
鉄分には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。国民健康・栄養調査結果によると、私たちの口に入る鉄は非ヘム鉄の方が多いようですが、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりはるかに吸収がよいという点で鉄を摂取したい人にはおすすめです。
ヘム鉄が多い食品:レバー、貝類、赤身の魚や肉など
非ヘム鉄が多い食品:青菜などの緑黄色野菜や豆類など
2)鉄の吸収を高める栄養素をとる
ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとると、吸収効率をアップできると言われています。鉄を含む野菜・海藻・大豆には、果物・肉・魚を組み合せるとよいでしょう。
タンパク質が多い食品:肉や魚介、乳製品、豆類など
ビタミンCが多い食品:野菜や果物など
3)造血作用のある栄養素をとる
ビタミンB6・B12・葉酸などは健康な血液を作ります。鉄と一緒に積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミンB6が多い食品:魚介類、鶏ささみ、レバー、豆類、バナナ、さつまいも など
ビタミンB12 が多い食品:レバー、貝類、チーズなど
葉酸が多い食品:葉物野菜、レバー、豆類など
4)食事中の緑茶や紅茶、コ-ヒ-などは控える
これらに多く含まれるタンニンが鉄と結合して鉄の吸収を悪くします。食べ物の中には鉄の吸収を助けるものもあれば、妨げるものもあります。鉄不足の症状が出ている方は注意して摂取しましょう。
まとめ
鉄は吸収率の低い栄養素です。鉄欠乏性貧血を予防するためには、毎日の食事から鉄分が不足しないよう十分に取ることが必要です。特に、鉄の必要量が増加する時期は不足しやすくなるので気を付けましょう。
ダイエットなどをしていしまうと食事の栄養のバランスが崩れてしまいます。栄養バランスを考えながら、食事を摂取しましょう。忙しい時もなるべく自炊での食事を心がけましょう。インスタント食品や調理済み食品、出前の料理などは使用されている材料が分かりにくいだけでなく、栄養のバランスの偏りが生じやすくなります。
妊婦・授乳期の方や発育期の子供・子宮筋腫・月経過多の女性・生まれたての赤ちゃんなどはより多くの鉄が必要となります。そのため、特に不足しないように注意が必要です。鉄は、血液中だけではなく肝臓や脾臓にも貯蔵されています。各組織で鉄が不足すると、まず肝臓や脾臓に貯蔵されている鉄が消費されます。それでも足りない場合は血液中の鉄が消費されていきます。そのため、鉄の摂取量が少なくても貯蔵分があるうちはすぐに鉄不足の症状が出るわけではありません。鉄不足は気づかぬうちに少しずつ進行していきます。
貧血の予防は、今日、鉄分を多く取ったから明日は少なくてよいというものではありません。いろいろな種類の食品を毎日食べる食習慣が鉄分不足を解消するポイントです。また、貧血は重大な病気の原因になることもあります。疲れやすい、めまい、立ちくらみ、息切れや動悸がするなどの自覚症状を感じたときは、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。