当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。
今月はだしの魅力をお伝えしており、第12回目も引き続き「だし」に関してです。
今回は、昆布と鰹の合わせ水だしを使った鍋のレシピもご紹介します🍳普段日本人がよく食べている、みそ汁やうどん、そば、おひたし、煮物などに欠かせないのがだしです。現代の忙しい日本社会で、特に仕事と子育てを両立している方にとっては、料理に時間をかけることができず、ご自宅ででだしを取れないという方も多いのではないでしょうか?💦そして何より、スーパーなどで、様々な種類の顆粒だしが売られているので、ついつい楽にできる顆粒だしを使ってしまいますよね?!?
今月ご紹介しただしレシピでも毎度お伝えしていましたが、だしはとても簡単に作ることができ、そして顆粒だしよりも美味しいだしを食べることができます✨ 特に水だしであれば、材料を水に入れて一晩冷蔵庫に入れておけば、朝には美味しいだしで味噌汁を作ることができます😊
昆布と鰹の合わせ水だし
■材料と作り方
昆布 3g (水の0.5%)
削り節 12g (水の 2%)
水 600ml
昆布と削り節を容器に入れて水を注ぐ
一晩冷蔵庫に入れる(約8時間)
味覚を育て、病気を予防する
幼児からお出汁中心の薄味を意識した食事を続けると味覚が育ちます。お出汁に含まれる旨味を幼児のうちにしっかり覚えておくことでおいしさを知ることができます。味付けが濃かったり脂っこいものなどばかり食べてしまうと、お出汁の旨味を口にしてもおいしいと感じられなくなってしまいます。
味覚を育てると将来摂取するであろう調味料の量を減らすことができ、食生活の改善、生活習慣病予防につながります。これは世界からも注目されています。味覚を育てることはお料理の味を楽しむことができます。
生活習慣病は、今や予備群(可能性を否定できない人)も含めると全国に1400万人近くいると推定されています。かつて「成人病」と呼ばれていましたが、成人だから生活習慣病になるというわけではないという報告もあります。
2014年に香川県が小学4年生を対象に行った血液検査で、脂質、血糖値、肝機能の数値に異常が見られた子どもの割合が10%前後にも達していました。総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪に関していずれか一つでも異常値を示した子どもは男子10.2%、女子11.5%でした。血糖値に関してはヘモグロビンA1cを調査したところ、糖尿病の疑いもしくは、発症リスクが高い子どもは、なんと男子12.0%、女子10.9%にも達していました。その他にも男子12.4%、女子9.5%の小学生に肝機能に異常が見られたというものです。
検査値に異常が見られた子どものほとんどが下記のような生活習慣をしていたようです。
・毎日腹一杯食べる
・塩分の多い食事
・早食い
・食事時間が不規則
・外遊びをしない
・1日のゲーム時間が長い
つまり小学生であっても、生活習慣によって将来の病気にかかるリスクが高くなってしまうのです。この検査結果を受けて、子どもだけでなく保護者に対して食事や運動に関する生活指導や啓発活動が行われました。その効果が表れ、これらの数値が改善される例が増えてきているといいます。家族全体で生活習慣を改めることが、大人にとっても、子どもにとっても、将来の生活習慣病になるリスクを減らすことが可能だということが明らかになりました。
※引用:オムロン ヘルスケアのソーシャルメディア公式アカウント
簡単に食材が手に入り、食べたいと思ったものを何でも手に入れられる現代では、食品添加物や塩分の多い食品などをついつい取り過ぎてしまいがちになります。
スーパーなどで販売されている顆粒だしは、とても便利で画期的なものですが、塩分を多く含んでいる商品もあります。1日の塩分の摂取目標量(厚生労働省 日本人の食事摂取基準参照)は、男性が8g、女性が7gですので、減塩を意識せずに、市販のものを使っていると、あっという間にこの目標量を超えてしまいます。塩分が多い食事が多い場合は、高血圧の原因にもなります。鰹節に含まれているペプチドという成分が食後の血糖値上昇を抑制するという件時以降にゅうが米国科学会学会誌にも記載されています。
昆布と鰹の合わせだしの魅力
昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸のコンビで、それぞれの材料を個別に味わったときより 7 〜 8 倍の相乗効果の旨味が得られることが研究でわかってきています。昆布と鰹の合わせだしの発見は鎌倉時代に遡るともいわれています。明治頃から物流等の関係から料理屋、一部の家庭などに使われるようになり、そしてごく一般の家庭に定着したのは昭和になってからです。
鰹節は、乾燥・カビ付けなどの製造工程から作られています。カツオが熟成された食品ということです。カツオの身は、ほとんどが水分とタンパク質です。焙煎やカビ付けを経て鰹節となることで水分は20%以下重量は1/6になります。
■鰹節に含まれる栄養素に関して
鰹節は、低脂肪でタンパク質が豊富でありとても栄養素が高い食品です。これらの栄養は、肌のハリを維持するのに必要なコラーゲンを活性化する効能があります。健康だけでなく美容にも役立ちます。リン・カリウム・ビタミンDなどをたっぷり含んでいます。また、脂肪の酸化を防ぎ、動脈硬化の予防に効果的なビタミン不足や不足しがちなカルシウム、ミネラルなども含んでいます。
■疲労回復する効果
かつお節に含まれるヒスチジンとアラジンの2つのアミノ酸が結合するとペプチドになります。カツオが一生泳ぎ続けても疲れないように、カツオペプチドには強力な疲労回復効果があります。
疲労回復を促す成分としては、必須アミノ酸である肝臓の機能を高めたり、筋肉を強化したりする成分や神経の働きを助けたり筋肉を強化したりす成分が揃うことで期待できます。
■リラックス効果
だしはリラックス効果もあると言われています。海外へ旅行に行った後に久しぶりに飲んだお味噌汁や、温かいだしを飲むと、ホッとすることはありませんか?身体だけでなく心にも栄養を与えることができます。
必須アミノ酸の1つである、トリプトファンは鎮痛作用があり、免疫力を高めます。脳に運ばれるセロトニンという、神経伝達物質を作る役割があり、主に府民を解消する効果があります。セロトニンは心のバランスを保つ効果があるので、ストレス解消や不眠症の改善に効果があると言われています。鰹節に含まれるトリプトファンの量は極めて多いので、普段から鰹節を摂取することで、精神的にも安定し、健康な体を維持することができます。
■その他の効果
・骨を丈夫にする
カルシウムとリンなどのミネラルが骨を丈夫にします。さらにカルシウムの吸収を促進するビタミンDも豊富に含んでいるので骨の形成や促進に効果があります。
・脂肪燃焼効果
ヒスチジンと呼ぼれる、幼児の発達に必要で神経機能を補助する必須アミノ酸は満腹中枢を刺激し、中性脂肪の燃焼を促進させます。
・デトックス効果
カリウムには体内の余分な水分を排出する働きがあります。
・アイチエイジング効果
細胞の老化を予防するセレンというミネラルが入っています。
・脳細胞の活性化
ドコサヘキサエン酸で情報を伝達するシナプスを活性化させます。シナプスが活性化されると記憶力や学習能力の向上に効果があります。
・新陳代謝促進
イノシン酸が体内に入ると細胞を活性化され新陳代謝が活発になり、健康を維持する働きが認められています。
・血液の循環をよくする
エイコサペンタエン酸と呼ばれる人の体内ではできない栄養素が青魚に多く含まれていて、心臓疾患や動脈硬化の予防に役立ちます。
昆布と鰹節のあわせだしを使っただし鍋
■材料(2人前)
豚 ロース 200 g
キャベツ 5 〜 6 枚 (200g)
しいたけ 4 枚
木綿豆腐 1/2 丁
昆布と鰹節の水出し 550ml
*600mlの水を入れてだしをつくると約550mlのだしができます
しょうゆ 大さじ 2
みりん 大さじ2
レモンスライス お好みで
■栄養士から一言
レモン汁を絞って入れたところ、口の中が爽やかになりました。レモン、 かぼすなど柑橘系の果汁をいれることを おすすめします。ちょっと生意気な中学 年生の娘からも褒められました。
小さいころからよく食べているる味は一生、舌が覚えているといいます。是非、本物のだしの味を作ってお子さんに食べさせてください。鍋の後の雑炊も美味しかったですよ。
■作り方
1、食材を切る
豆腐を 2 cm幅に切る
しいたけは半分に切る。 軸は手でさく
キャベツはざく切りにする(2〜3cmくらい)
2、鍋に水だし、しょうゆ・みりんを入れ弱火で加熱する
3、水だしが煮たったら豚肉を加える
4、切った野菜と豆腐を加え、蓋をして5分ほど加熱すれば、出来上がり
まとめ
4回にわたってだしについてご紹介してきました。
日本人にとっては欠かせないだしですが、最近では顆粒だしが売られているので、ついつい頼ってしまうこともあるかと思います。しかし。市販のものは必要のない塩分や甘さが添加物と一緒に加えられているため、身体にとっていいものとは言えません。
鍋に火をかけてだしを作るのが大変と思って、顆粒だしを使っていらっしゃる場合もあるのではないでしょうか?しかし、電子レンジや水だしで簡単に美味しいだしを作ることが可能です。
だしの材料に含まれる栄養素や効能を知ると、日々の食事に取り入れようという気持ちになります。最近では、だし専門のお店もありますので、お買い物ついでに少し立ち寄ってみると面白いと思います。だしのことを知る前とあとでは、昆布や鰹節などの素材の見方も変わってきます。
是非、普段の生活にだしを取り入れてみませんか?