当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。
今回ご紹介するのは「低FODMAP」です。聞いたことある方いらっしゃいますか?
なぜ、今回「低FODMAP」をご紹介したかったかというと、当院にお越しになる患者さんでお腹
の不調がある方が多いからです。ご自身は大丈夫でもご家族でお腹が弱い(下痢)、便秘症、お腹がよく張るなど、お腹の不調で苦しんでいる方はいませんか?
だしレシピの中でも記載しましたが、腸は脳とも深く関係しており、ストレスを受けると「脳」からの信号が「腸」に伝わり、腸の運動に影響を及ぼすと言われています。逆に、腸を整えることで精神が安定する、ということも期待が出来ます。
少しでも気になった方は是非ご拝読ください!
お腹の不調ありませんか?
下記のような症状が1ヶ月に3日以上続いていたり、過去3ヶ月の間に当てはまるものはありませんか?
・慢性的に便秘・下痢を繰り返す
・1日に何度も軟便・下痢をする
・1日に何度もおなかが痛くなって便が出そうな感じはあるがなかなか便がうまく出ない。
・コロコロの硬い便で出しにくい
・残便感がある
・腹痛・腹部の不快感が頻繁に起こる
・ガスが溜まっている感じがする・おなかが張って痛い
・緊張すると急におなかが痛くなる・大事な場面でおなかを下してしまう
・冷たいものを食べるとおなかがぐるぐる鳴って痛い
・授業中や仕事中、移動中などのすぐにトイレに行けない状況だとおなかが痛くなる
・朝食後や通勤・通学の途中でおなかの調子が悪くなる・学校もしくは職場で頻繁にトイレ行く・帰宅時・帰宅後には落ち着いている
・週末はおなかの状態が落ち着いている
・排便によって症状改善・軽快し、ストレスや緊張などで悪化することが多い
・頑張って腸活をしているのに改善しない
上記の症状が慢性的に続いていれば、「過敏性腸症候群」による症状かもしれません。
過敏性症候群とは腸に炎症やポリープなどの疾患がないのに、慢性的に腹痛を伴う下痢あるいは便秘、ガスが溜まる、お腹が張るといった不快な症状が起こり、排便すると痛みが軽くなるのが特徴的な疾患です。日本人の 10% 程度は過敏性腸症候群であるといわれています。
過敏性腸症候群の人の場合、一般的にこれを食べるとお腹によいと言われているものが、実はあまり好ましくないという場合もあります。食物繊維、発酵食品などは注意が必要です。
過敏性腸症候群のみならず、日々ガスやおなかの張りに悩んでいる人、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸憩室、逆流性食道炎の症状にも効果的がみられます。
低FODMAPって何?
ある特定の4種類の糖質を避ける食事法のことを「低FODMAP」食事法といいます。
2014年にオーストラリアのMonash大学を中心に行われた試験で証明され、論文にもなったもので、世界中で大きな話題となりました。
食べ物は、口から入って食道、胃、十二指腸、小腸へと運ばれます。腸に不調を抱える人にとって糖質は厄介な栄養素で、小腸に入ると「吸収できるもの」と「吸収が悪く問題を起こすもの」とに大きく分かれます。このうち問題を起こすのが、FODMAP(フォドマップ)なのです。
フォドマップの含まれる食べ物は複数ありますが、どの食品があわないかは一つひとつ自分の身体に聴いて確かめていくことになります。
■特定の4種類の糖質とは?
FODMAPの意味は下記です。
F(Fermentable):発酵性の以下の4つの糖質 O(Oligosaccharides):オリゴ糖(玉ねぎなど) D(Disaccharides):二糖類(ヨーグルト、牛乳など) M (Monosaccharides):単糖類(蜂蜜、果物など) A(and) P (Polyols):ポリオール(人工甘味料キシリトールなど) |
■具体的にどんな食品を食べればいいの?
野菜・豆類
積極的に摂取したいもの | 避けた方がより食品 |
ナス、大根、トマト、にんじん、レタス、キャベツ、きゅうり、じゃがいも、たけのこ、ブロッコリー 、もやし 、パセリ、ズッキーニ、ピーマン、オリーブ、枝豆、白菜、かぶ、かぼちゃ、オクラ、木綿豆腐 | アスパラガス、ごぼう、ニンニク、豆類、セロリ、納豆、玉ねぎ、カリフラワー、ゴーヤ、ネギ、スナップえんどう、ニラ、絹ごし豆腐 |
※ブロッコリーは の茎の部分にはフルクタン(体内で消化されにくい食物繊維の一種)が多いのでブロッコリーを食べる時は気をつけてください
穀類
積極的に摂取したいもの | 避けた方がより食品 |
米、そば粉100% のそば、玄米、ポップコーン、タピオカ、米粉類、オートミール、シリアル (米・オート麦のもの) | 小麦 、ライ麦 、大麦 、パスタ、ラーメン、うどん、そうめん、とうもろこし、パン、ピザ、ケーキなどの小麦粉使用のお菓子、お好み焼き、たこ焼 |
低FODMAP サラダ
■栄養士からの一言
昔から食べた方がいい食品と思われているものは低FODMAP食品では避けた方が良いと言われています。例えば、ごぼうなどや納豆は避けた方がいい食品に含まれています。豆腐も種類によって分けられます。もし、お腹の調子を治すために、今後低FODMAP食品を取り入れたいという場合は、口に入れるものが低FODMAP食品なのか、よく確認するようにしましょう。
今回紹介したサラダは、どこにでもある食材で手軽にでき、量もたくさん食べることができます。卵は低FODMAP食品なので安心して一緒に召し上がってください。すぐにでもまた食べたいと思うほど、とても美味しいので良かったら作ってみてください。
■材料
温泉卵 2 個
かぼちゃ 1/8 個
にんじん 1/4 本
きゅうり 1 本
レタス 4 枚
ミニトマト 4 個
オリーブオイル 大さじ1
酢 大さじ1
塩 全体 の 0.6%
塩は海水100%天日干しをおすすめします
■作り方
1、かぼちゃは2cm、にんじんは0.5cmの半月切りにし、お湯で5 分ほど茹でる
*にんじんが竹串に刺したら、すっと通るぐらいに茹でてください
2、きゅうりは半月切り、ミニトマトは半分に切る
3、ボウルにレタスを手でちぎりながら入れ、にんじん、かぼちゃ、きゅうり、トマトを加え、オリーブオイル、塩と和える
※塩は全体の0.6% 今回は491gだったので、491×0.6=約3g
4、お皿に味をつけた野菜たちを盛り付け、最後に温泉卵をのせて完成
まとめ
今回の「低FODMAP食品」は驚くことも多かったのではないでしょうか。
「納豆、キムチなどの発酵食品は腸をよくする」
「アスパラガス、ネギ、豆、ゴボウなどの食物繊維を取る」
「オリゴ糖が入った特定保健用食品を利用するのがいい」……
などなど腸の調子を整えるとして、さまざまな情報が流れています。
しかし、いくら、食生活に気をつけていても、病院に相談しても「異常がない」といわれ下痢、便秘、おなかのゴロゴロ、張り、痛みで悩んでいる方はかなり多いのではないでしょうか?
今回は低FODMAPの野菜・いも・きのこ・豆類・穀類のご紹介でしたが、来週は肉・魚・フルーツ・乳製品をご紹介します。気になる方は是非来週もご拝読ください!
お腹の調子を整えることで、心の安定にもなります。日々の食事で少しずつ取り入れてみてください。