低FODMAP 〜鮭の蒸し焼き(カレー味)〜

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。

今回は前回に引き続き低FODMAPレシピをご紹介しつつ、メイントピックは小腸の炎症「SIBO(小腸内細菌増殖症)」のお話です。

年齢関係なく、生活の中でさまざまなストレスを抱えているものです。そのストレスが胃腸不調の原因になっていることは決して珍しいことではありません。腸も脳に影響を与えることが最近の研究でも分かっています。ダメージを負った腸は脳に強いストレスを与え、メンタルのバランスを崩します。

一昔前であれば、「体質だから」「根性が足りないんだ」などと片付けられたかもしれませんが、ストレスからくる胃腸症状は、さまざまな病気の可能性があり、治療により大幅に改善することができます。

お腹の不調は小腸に炎症があるからかも

小腸は、胃や大腸とは違い、内視鏡が届かないため外からは見ることのできないブラックボックスとされてきました。しかし、近年カプセル内視鏡が開発され、お腹の不調を訴える人の小腸では炎症があり、腸内細菌が繁殖してガスが溜まった状態であることが分かってきました。この疾患がSIBO(小腸内細菌増殖症)です。

以前「低FODMAPサラダ」のページでお伝えした過敏性腸症候群(IBS)の症状がある方の約80%はSIBOが合併していると言われています。過敏性腸症候群(IBS)は大腸の炎症で、腸内細菌増殖症(SIBO)は小腸の炎症です。

■小腸に関して
小腸は栄養を消化吸収する臓器です。しかし何らかの原因により小腸で細菌が増えすぎてしまい、その菌が栄養の吸収を妨げてしまいます。しかも炭水化物を分解して大量のガスを発生され最悪の場合、小腸の粘膜に菌が侵入し炎症を引き起こしてしまう可能性もあります。小腸は食物からの栄養分を吸収できる程度まで分解し、吸収し、エネルギー源にしてくれますが、働きがおもわしくなければ、食べたものもうまくエネルギーになってくれません。

身体のために栄養のある食事をしていたり、サプリなどを摂取していても、炎症があると腸内にガスが邪魔をして、栄養がしっかり吸収されないことがあります。サプリでいうと特に、ビタミンAやビタミンB、ビタミンE、亜鉛などはガスにより吸収されづらくなりやすく、せっかくサプリで摂取しても効果がないなんてことになりかねません。
■症状例
まずはご自身の症状を確認してみてください。下記特徴的な症状に当てはまる方はSIBO(小腸内細菌増殖症)の可能性がありますので悩んでいる方は医師へご相談ください。

□食後にお腹が張りやすい
□軽食でもお腹が張る
□ピロリ菌に感染している
□胃薬​​(制酸剤)を常用している
□過敏性腸症候群の治療が長引いている
□下痢や便秘を頻繁に起こしている
□空腹時にお腹がグーっとならない
□おならをよくする
□頻繁に腹痛を感じることがある
□整腸剤やヨーグルトがカラダに合わない

それ以外には下記のような症状も確認されています。
□繰り返される下痢
□お腹がゴロゴロする
□慢性的な腹痛
□過敏性症候群
□吐き気やゲップ、胸焼け
□食欲不振
□慢性的な疲労感
□栄養失調や肥満もしくや痩せ
□肌荒れ、湿疹やニキビ、むずむず足症候群
□神経系及び精神面の不調(うつ状態:気分の落ち込み、不安感、パニック発作)
□不眠

上記の症状例のように、SIBOは便通異常をはじめとしたお腹のトラブルに加え、体にとって不快感のある症状も引き起こす可能性があります。このようなお腹の不調へ一刻も早く解決したい思うのは当然です。このSIBOの原因を排除する方法として提案されているのは「低FODMAP」の食事法です。

SIBOを引き起こす原因

原因はいくつか考えられますが、今回は4つの原因をご紹介します。

■原因①:消化機能の低下
小腸が正常な働きをしないと腸内細菌は大腸まで流されず小腸に停滞し食べ物の残りカスを養分にして小腸で繁殖してしまいます。手術などで、小腸の一部が狭くなったり、小腸の動きが低下することで、腸管内容物が腸管内に停滞する病気もSIBOを引き起こす原因の1つです。また糖尿病やパーキンソン病、甲状腺障害、膠原病などの全身性の疾患で腸の動きが悪くなりますので原因の可能性があります。

■原因②:ストレスや間食
以前からお伝えしていますが、ストレスは腸へ影響し、動きを悪くします。胃腸は、リラックス時に活発になる自律神経・副交感神経によって動いています。交感神経が優位になると小腸の運動が低下してしまいます。ストレスがかかると腸内で炎症が起こり、免疫力が低下します。免疫力の低下はSIBOを発症しやすいと言われています。
また、間食もSIBOを招いてしまいます。小腸から食べ物の残りかすや細菌を取り除く蠕動(ぜんどう)の仕組みが、食べていないときにしか起きないからです。食事の回数が多かったり、間食をしたりすると、適切なぜん動する時間が少なくなり、小腸内の細菌にとってはコロニーを維持することがたやすくなります。

■原因③:抗生物質の乱用
抗生物質は細菌を殺す薬です、適切に使用すれば大きな効果を発揮しますが、頻繁に使ってしまうと腸内細菌中の善玉菌を殺してしまうため、腸内フローラのバランスを崩すことになります。悪玉菌の増殖に歯止めをかけていた善玉菌が減ると悪玉菌がどんどん繁殖しやすくなりSIBOへと繋がります。

■原因④:炭水化物の消化不良、食べ過ぎ
パンやパスタなどの小麦食品や砂糖の多い加工食品や炭酸飲料などは、細菌が喜んで食べる食品です。小腸でなかなか吸収されない糖質を含んだ食事をとると、人体に吸収されず小腸の中で浮遊し、細菌のエサとなり、細菌が糖を急激に発行させ、ガスを発生させます。炭水化物の吸収不良がある方はSIBOになりやすいので気をつけましょう。

※​​穀類の低FODMAPと高FODMAPはこちらに記載しています
※参考資料:小腸を強くすれば病気にならない 今、日本人に忍び寄る「SIBO」(小腸内細菌増殖症)から身を守れ!

気になる方はSIBOの検査を受けることをオススメします◎

低FODMAPレシピ 〜鮭の蒸し焼き(カレー味)〜

■材料

生鮭     2切れ
キャベツ   100g
ピーマン   1個
にんじん   1/4g (50g)

砂糖     大さじ½
カレー粉   小さじ½
しょうゆ   大さじ1
酢      大さじ1
(調味料は混ぜておく)

■作り方
1、鮭にひとつまみの塩をして20分ほど放置してキッチンペーパーなどで水気をふく

2、キャベツは2cm角、ピーマンとにんじんは千切りにする

3、鍋に切った野菜、その上鮭をのせ、混ぜておいた調味料をかける

4、弱火〜中火にして10分ほど蒸し焼きにして完成!

まとめ

腸は健康の基礎となる大切な場所ですから、いち早く治したいですよね?!?何年もお腹の調子が悪いと、それが普通になってしまいがちですが、一度きちんと治療してみませんか?健康に良いはずの食事をしていても、何か不調があるならば、それは自分に合っていないサインかもしれません。

当院ではご自宅で作れるレシピをご紹介していますが、食事以外でもストレスを抱えやすい現代人は、努めて、リラクゼーションを意識することが大切です。好きな音楽を聞いたり、ゆったりした入浴をしたり、好きなアロマを嗅ぐなど自分に合う方法を日常に取り込んでみてください。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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