当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。
今回はブロッコリーについてです。食卓の彩りにもなりますし、お弁当にも入れやすいので、スーパーで購入する方も多いのではないでしょうか。
最近では、筋トレ効果をあげる食材として、鶏ささみなどと同様にトレーニングの食事には欠かせない食事になってきています。これはブロッコリーには筋肉をパワーアップするために必要な栄養素が豊富でバランスよく含まれているからだそうです。もちろん筋トレをしていない方にとっても栄養素が豊富であり、さまざまな効能があると言われています。
しかし、正しい選び方・洗い方・調理法でないとせっかくの栄養も逃げていってしまいます。ポイントをおさえてご紹介していますので是非ご覧ください!
ブロッコリーについて
ブロッコリーはキャベツの仲間である緑黄色野菜です。つぼみの部分(花蕾)を食べることが多いと思いますが、茎部分にも栄養が豊富で食べることができます!旬は、晩秋(11月)から春(3月)まで。日本では夏場は北海道、冬場は愛知県や埼玉県など国内生産が増えています。
■栄養素について
ブロッコリーの栄養素の中で特に豊富に含まれているのはビタミンCです。なんとレモンよりも多いのです。ビタミンCは水溶性のため、茹でると減少してしまうのですが、それでもレモン約3個分のビタミンCが含まれています。
ビタミンC以外の栄養素は下記のように他の野菜と比べても多く含まれていることがわかります。特に注目したいのは、ブロッコリーに含まれる植物性のたんぱく質。たんぱく質は筋肉や骨を作るもととなる栄養素です。また、低カロリー食材のため、たくさん食べても太りにくく、筋トレやダイエットを行っている人にとってブロッコリーが大切な食材の1つといえます。
種類 | エネルギー | たんぱく質 | 資質 | 炭水化物 |
ブロッコリー生 | 37cal | 5.4g | 0.6g | 6.6g |
ブロッコリー茹で | 30cal | 3.9g | 0.4g | 5.2g |
にんじん 生 | 35cal | 0.7g | 0.2g | 9.3g |
ピーマン 生 | 20cal | 0.9g | 0.2g | 5.1g |
キャベツ 生 | 21cal | 1.3g | 0.2g | 5.2g |
※引用:文部科学省 食品成分データベース「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
その他にも、ビタミン類、葉酸、カリウム、食物繊維、スルフォラファンなどの栄養素が含まれています。
※スルフォラファンは前回のブログにて説明しています
■ブロッコリーに含まれるビタミンC
野菜や果物に豊富に含まれているビタミンCは、動物性食品にはほとんど含まれていません。小腸から吸収されて、肝臓に運ばれ、血流に乗って全身の臓器に行き渡ります。余ったらすぐに尿として排出されてしまうので、食品から撮る場合には過剰になることはほとんどありませんが、たまに吐き気や下痢などを起こすこともあるようです。ビタミンCのサプリメントを摂取している方はかかりつけ医に相談しましょう。
ビタミンCといえば、風邪予防の栄養素とも言われています。特性としては抗酸化作用が強く、神経伝達物質の合成、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成にも関わっていると言われています。抗酸化力とは活性酸素を抑えることです。活性酸素は動脈硬化を起こしやすくする過酸化資質を作り出したり、ガン・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。
ビタミンCが不足してしまうと、ストレスと戦う力が低下して回復しにくくなります。朝の目覚めが悪くなったり、倦怠感・疲労感・物忘れなどが酷くなったり、忍耐力もなくなってしまいます。
健康で長生きするた目には、ブロッコリーなどの野菜を食べて、抗酸化力を高めることがとても大切です。
ブロッコリーの効能
【1】免疫力アップ
先ほどビタミンCでも記載した通り、ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれています。「風邪予防にはビタミンC」といわれることもある栄養素。ビタミンCは人間の体内では合成できない栄養素なので、外から取り入れる必要があります。ビタミンCは免疫力をアップさせ、風邪を予防するので、日ごろから欠乏しないように摂取することが大切です。
【2】妊婦さんに必須の栄養素!葉酸
赤血球を作る栄養素である葉酸は、「造血のビタミン」と呼ばれています。葉酸が妊婦さんにとって欠かせないビタミンということは知っている方が多いと思います。妊娠している方や妊娠希望の方はにごろから適量を摂取することで、胎児の先天性の異常である神経管閉鎖障害のリスクを低下させます。
【3】がん予防
ブロッコリーに含まれるスルフォラファンに、抗酸化作用と解毒作用があり、がんの発生を予防するといわれています。スルフォラファンに関しては、前回ご紹介していますので、こちらからご確認ください。がん予防には1日50gの摂取がよいとされています。
【4】女性に嬉しい効果
ビタミンCはコラーゲンの生成を促すといわれているため、女性に嬉しい美肌効果に期待ができます。また、カリウムにはむくみを解消する働きがあります。ビタミンC、カリウムともに水に溶けやすいので、茹でるよりも、電子レンジで加熱するかさっと湯がいて油を使う調理法がおすすめです。低カロリーなうえ、美肌やむくみ解消なども期待できるので、健康的なダイエットとしておすすめです。また、ビタミン類には抗酸化作用があり、老化を防ぎます。そのため、アンチエイジングが期待できます。
【5】整腸作用
ブロッコリーには、野菜の中でも豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は腸のぜん動運動を促進し、便秘の解消に効果的ですが、ブロッコリーに含まれる食物繊維は主に水に溶けない不溶性の食物繊維なので、便の量を増やして便秘改善の働きがありますが、ひどい便秘の方はかえって悪化させてしまうことがあります。水溶性の食物繊維(わかめ、オクラなど)も一緒にしっかり摂取することで排出しやすくなります。
選び方・洗い方・保管方法
せっかくブロッコリーを食べるのであれば、栄養が取れる状態で摂取するようにしましょう。
■美味しいブロッコリーを選ぶポイント
つぼみがかたくしまっていて、こんまりと丸く盛り上がった形を選びましょう。上から見て、緑色が濃く、つぼみの粒が揃っているのもポイントです。また、茎の切り口がみずみずしいものが良いです。下記写真では左のようなものを選ぶといいです。逆に右側のものはかたくて筋っぽく美味しくないので避けましょう。
※引用:KAGOME VEGEDAY
■洗い方
ブロッコリーははっ水性があるため、流水で洗うのではなく、水を張ったボウルに頭からドボンと15~20分ほどつけておきます。そうすることでつぼみが開き、中に入っているほこりや虫などが出やすくなります。つけた後は、茎を持って水の中で振ることで水の中に汚れが落ちて綺麗に洗うことができます。
Youtubeなどでまとめられているものがあるので是非ご参考までにご覧ください。
■保管方法
①生の場合
加熱なしで保存する場合は、表面の水分をよく拭き取り、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存してください。茎を下向きに立てて入れてください。生のままで長時間おいておくと、つぼみが開いて変色し、味も香りも半減しますので、早めに使い切りましょう。
②茹でで保存する場合
新鮮なうちに茹でて密閉容器に入れて冷蔵庫で保存が可能です。2〜3日以内に使い切るようにしましょう。すぐに食べない場合は、重ならないように平らに広げて保存袋に入れ冷凍保存してください。ただし1度冷凍すると食感が失われます。冷凍したものを使う場合は、グラタンや炒め物など再加熱する料理に使うのがおすすめです。
ブロッコリーとモッツァレラチーズのサラダ
■材料
ブロッコリー 1/2株
ミニトマト 6個
モッツァレラチーズ 1袋(100g)
【ドレッシング】
しょうゆ 小さじ1
りんご酢 小さじ1
砂糖 1g
塩 0.5g
オリーブオイル 大さじ1
【ブロッコリー加熱用】
塩 ひとつまみ
オリーブオイル 小さじ1
水 大さじ2
■栄養士から一言
今回ご紹介するブロッコリーの調理法は「蒸し炒め」です。栄養が逃げないように野菜に少量の塩・油・水を入れ、フタをして短時間で仕上げる調理法です。
ブロッコリーは水溶性なので茹でたりすると水と一緒に大きく栄養素が失われてしまいますが、「蒸し炒め」であれば栄養素が失われないためおすすめです。
もちろんブロッコリーだけでなく、他の野菜でも同じように蒸し炒めすることができます。
今回のレシピでは少し歯応えがあります。よく噛むとダイエット効果もありますのでおすすめです。
お好みでもう少し柔らかい食感がお好きな場合は、フタをしてそのまま放置し、お好みの硬さになったらトマトなどを加えて和えてください。彩りも鮮やかですので、食卓が華やかになります。
■作り方
1、ブロッコリーは小房に切り分け、茎は皮を厚めにむいて棒状に切る
ミニトマトは半分に切り、モッツァレラチーズは一口大に切る
2、火をかけていないフライパンにブロッコリー、塩、オリーブオイルを入れ、強火で1分加熱する
3、1分経ったら、水を入れフタをして2分加熱する
4、ブロッコリーをボウルに取り出し、ミニトマトとドレッシングを加える
5、ある程度なじんだらモッツァレラチーズを加えて和えたら出来上がり
まとめ
ビタミンCやたんぱく質など多くの栄養素を含んでいるブロッコリーをご紹介しました。
せっかくブロッコリーを食べるのであれば、是非スーパーでの選び方、洗い方、調理方法に気をつけて摂取するようにしましょう。
食べ合わせとしては、タンパク質とブロッコリーはよい組み合わせです。筋トレをしている方がよく摂取している鶏肉などの肉類がよいです。糖質も摂るのであれば、豚肉とブロッコリーをオススメします。食べるタイミングはトレーニング後の30分後がおすすめです。栄養豊富だからといってブロッコリーばかりを食べずに、他の食材ともバランスよく摂取することが大切です。
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