甘いものが食べたい…それは腸からのメッセージ!?

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関してはこちらよりご覧ください。

今週からは”お腹のカビ”についてのお話しです。
最近、”腸活”という言葉をよく聞くようになりましたよね。
腸は、脳や皮膚、免疫などと密接な関係があり、腸内環境を整えることがとても重要だということがわかってきました。腸には元々、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がいて、バランスが良ければ問題ないのですが、食事やストレスなどでバランスが崩れると、”カビ”が増殖して様々な不調の原因になることも…。

腸内細菌のバランスが崩れてお腹のカビが増えると、甘いものが食べたくなると言われています。
その理由は、お腹のカビのエサとなるのが糖分のため。
腸内環境が悪くなり、お腹のカビが増殖すると免疫力が落ちたり、様々な体の不調や病気の原因になることもあります。
お腹のカビが増えると、腸内でどういうことが起こるのか…お腹のカビについてお話しします。
今回はそんな”カビ”がもたらす影響についてお伝えします。

過去のブログでもご紹介しています。合わせてご覧ください。

お腹のカビはなぜ怖い⁉︎

健康な人でも腸内には様々な細菌やカビがいます。
もともと腸には血中に異物が入らないように腸壁にフィルターがあります。
しかし、腸内環境のバランスが崩れると、カビが増殖し、フィルターを破壊してしまいます。
カビが増殖し腸のフィルターが破壊されると隙間ができ、未消化物や有害物質、細菌やウイルスなどが血中に入り込んでしまいます。
傷ついたフィルターの隙間から通常では入ってはいけない、細菌やウィルス、未消化物が血中に入ってしまうと、アレルギー反応や倦怠感、便秘、生活習慣病など様々な体の不調の原因になると言われています。

お腹にカビが増殖すると…

①低血糖を引き起こす

カビは糖分をエサに増殖していくため、お腹にカビが増えてしまうと、甘いものが食べたくなります。
そして、エサとして糖分を消費するので、食べても低血糖を引き起こしてしまいます。
すると、体が糖が足りないと判断し血糖値をもとに戻そうとして、さらに甘いものを食べたくなる‥‥
この悪循環が終わらなくなります。

低血糖の症状としては空腹、吐き気、息が切れやすい、おこりっぽい、眠気、憂鬱、など…
甘いものを食べてこんな症状が出てきたら注意が必要です。

②腸の壁を壊す

カビの出す酵素で腸壁が傷つくと腸の粘膜が破壊されてしまいます。破壊された腸壁の隙間から、未消化物や有害物質などが血中に漏れ出てしまうと、体が異物だと認識し、アレルギーや免疫反応を起こし、’炎症’がおきます。(リーキーガット症候群)
この’炎症’を抑えるために起こる体の反応が、様々な体調不良の原因になると言われています。

また、お腹のカビは腸内の炎症も引き起こし「腸を守る力」を弱めてしまいます。
疲れやすく、嘔吐、下痢や便秘を引き起こすような有害物質が体の中で作り出されます。すると免疫力も低下し、感染症を起こしやすい体質になります。

自然界では消化できない遺伝子組み換え食品、添加物、トランス脂肪酸などが大量に腸に入ることによっても悪化します。

③有害物質を発生させる

カビは体にとって有害な物質や弊害をもたらすことがあります。カビには多くの種類がありますが、増殖した時に多くの問題を引き起こすのがカンジダ・アルビカンスです。
このカビは、アラビノースと呼ばれる糖の一種を作り、アラビノースがペプシジンという化合物を作ります。
ペプシジンはタンパク質の構造や機能を変えてしまい、体の様々な機能にトラブルを生じ、自己免疫疾患(免疫の仕組みで自分の体を攻撃してしまう病気)や炎症、老化が促進されやすくなります。

このアラビノース、砂糖に代わる甘味料としても市販されています。血糖値を上げないことからヘルシーな甘味料といわれていますが体に有害な作用を持っています。

④免疫のトラブルを起こす

お腹のカビでカンジダ感染のある人は、カンジダに対する抗体ができてしまうこともあります。カンジダに対してつくられた抗体は、自分自身の脳や腎臓、膵臓、肝臓などの組織に対して反応することがあります。

⑤体の不調を引き起こす

腸は免疫細胞の約7割が存在し、脳の伝達物質の生成にも関与しています。カビが増殖し腸内環境が悪化すると、感染症を起こしやすくなったり、睡眠トラブルを招くなど様々な病気を引き起こします。

おなかのカビによる不調が長期にわたると、自己免疫疾患や生殖器疾患、慢性疾患を合併してしまうことがあります。

カビを知らず知らずのうちに摂取していることも…
特にカビが発生しやすい食品です。

とうもろこし🌽
コーヒー☕️
小麦🍞
大麦🌾
砂糖
ナッツ類🥜
アルコール🍺🍷
チーズ🧀
バナナ🍌
パイナップルなど外国産の果物

保管や輸送の状況、購入後の管理などによっても違ってきます。もし、お腹のカビが疑われる場合は、これらの食品は避けるか控えめにしましょう。

今週の栄養たっぷりレシピ ~チキンのローズマリー焼き~

■栄養士からの一言
鶏肉が焼き上がったら、5〜10分ほどそのままオーブンに入れておくと肉が落ち着き、ふっくらと仕上がります。
鶏肉の漬け込みは10分ほどと書いていますが、朝、作って帰宅後、焼くこともできるので便利です。
鶏胸肉にはオリーブオイルなど油をしっかりつけて焼いてください。胸肉のぱさつきがなくなります。
鶏胸肉の厚みによっては火のとおりにばらつきがあります。切ってみて、まだ鶏胸肉が赤い場合などは3分ほど延長してみてください。

■材料
鶏胸肉1枚(300グラム)
ローズマリー1枝
すりおろしにんにく1かけ分
オリーブオイル大さじ1
塩2グラム程度(鶏胸肉の0.6%)
にんじん1/2本
ピーマン1個
玉ねぎ1/2個
オリーブオイル大さじ1
塩(野菜の全重量の0.6%)

■作り方
1、鶏胸肉は半分に切り、ローズマリー、おろしニンニク、オリーブオイル、塩をまぶし、冷蔵庫で10分ほど漬け込む。

2、にんじんは0.5ミリ〜1センチの厚さに切る。ピーマンは縦に4等分、玉ねぎは櫛切りに切り、オリーブオイル、塩をまぶす。
*野菜の全体量が281グラムでした。281×0.6%=1.6

3、1と2をクッキングシートを敷いた鉄板にのせ、210度のオーブンで15分焼く。

まとめ

今回はお腹のカビが与える影響についてご紹介しました。
甘いものがやめられない、甘いものが常に欲しくなることが増えたら、もしかするとお腹のカビが影響しているかも…。
カビは完全に排除することは難しいです。
大切なのは増やさないこと。

次回は食事のポイントについてお話しします。
お楽しみに(^ ^)

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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