子供の成長に欠かせない「亜鉛」!!思春期には大量に消費されてしまう?!

当院では栄養士の大塚さんにご協力いただき毎週栄養たっぷりのレシピをご紹介します✨
過去のレシピに関しては<a href=”https://www.magojibi.jp/nutritionist_blog/”>こちら</a>よりご覧ください。

今回は成長期の子供が「亜鉛」不足になるとどうなるか?について詳しくお伝えします。

しかし、亜鉛だけ摂取すればいいわけではありません。
確かに亜鉛は人の体に欠かせない重要な栄養素の一つではありますが、
亜鉛が体の全てを作っているわけではない為、
偏った栄養摂取にならないように注意して下さい。

現代の小中学生は部活や習い事などで忙しい日々を送っていると思いますが、
まずはバランスの良い食事と睡眠時間の確保を心掛ける事が大切です。
もし栄養バランスが偏るようでしたら、サプリメントの活用もおすすめです。
当院では医療機関専用サプリメントのご用意もございます。
もし興味がございましたら、お気軽にご相談下さい✨

1日の亜鉛の推奨摂取量

<男性>
12歳~14歳 10mg
15~17歳 12mg
18〜74歳 11mg
75歳以上 10mg

<女性>
12歳~14歳 8mg
15歳~17歳 8mg
18歳以上 8mg
*妊婦の推奨量は+2、授乳婦は+4厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年度版」

食事から亜鉛を摂るには???

☆亜鉛を多く含む食材☆

◎100グラムあたり~亜鉛(mg)~
牡蠣 14.5
豚レバー 6.9
牛肩赤身肉 5.5
高野豆腐 5.2
牛モモ赤肉 4.1
牛レバー 3.8
アーモンド 3.6
ホタテ貝 2.7
ピーナッツ 2.3
豚ヒレ肉 2.2
納豆 1.9
卵 1.3

☆亜鉛の吸収を促進する成分について☆

亜鉛の吸収率は約30%とあまり高くありません!
高齢者は特に吸収率が悪くなります。
亜鉛は小腸の空腸と十二指腸で吸収されます。
吸収された亜鉛は肝臓を始めとする各種組織へと送られます。

☆亜鉛と一緒に摂ると吸収を助けてくれる栄養素☆

◎肉や魚などの動物性タンパク質
タンパク質の合成に使われる栄養素です。
タンパク質と結合している状態の方が吸収率が高まります。
タンパク質の中でも動物性タンパク質は、
亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸や食物繊維の影響を軽減してくれます。

◎クエン酸
亜鉛はクエン酸と一緒に取ることでキレート作用(ミネラルを体内に吸収しやすい形に変えること)により吸収が促進されます。
食用酢や梅干しに多く含まれています。

◎ビタミンC
水溶性で加熱に弱いのでなるべく非加熱で、加熱する場合は味噌汁やスープ、鍋など汁も一緒に食べると亜鉛やビタミンを効率よく吸収できます。
焼き鳥、生牡蠣などに付け合わせれるレモンは亜鉛の吸収効率を高めてくれる効果があります。

☆反対に亜鉛の吸収を妨げる要因となるのが・・・

◎食物繊維
血糖値の急上昇を防ぐほか、コレステロールなどのように余分な脂質を吸収して排出し、胃の粘膜を守ったり善玉菌を増やすことによる成長作用もあり良い成分であるのですが、ミネラルを吸着してしまう性質があるので小腸で吸収が妨げられてしまいます。亜鉛を排出させてしまうので同時に食べないことをおすすめします。穀物類の食物繊維、海藻類の食物繊維は亜鉛の吸収を妨げるといわれています。

◎シュウ酸
ほうれん草、さつまいも、ブロッコリー、緑茶、コーヒー、などに含まれています。
ミネラルとの結合力が高いため体内への吸収を阻害してしまいます。

◎フィチン酸
パンなどの小麦粉製品やインスタント食品に多く含まれるフィチン酸は亜鉛などのミネラルとの相性が悪く、ミネラルとの結合力が高いため体内への吸収を阻害します。フィチン酸と結合した亜鉛は水に溶けなくなってそのまま体外に排出されてしまいます。

◎ポリリン酸
加工食品に多く含まれている食品添加物です。
食品添加物は亜鉛を体内から排出してしまう働きがあります。
ポリリン酸が多く含まれるものにはリン酸塩、乳化剤があります。
かまぼこ、ハム、ソーセージ、アイスクリーム、チーズ、炭酸飲料などにも使われています。

◎カルシウム
丈夫な骨と歯を作る成分なので摂取したい成分なのですが、カルシウムと亜鉛を同時に摂取してしまうと亜鉛の吸収率が悪くなってしまいます。

◎タンニン
赤ワイン、コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれる成分です。亜鉛や鉄などのミネラルとの相性が悪く、ミネラルとくっついて吸収を妨げる性質があります。

◎アルコール
飲みながら亜鉛の豊富な食品を摂取したとしても亜鉛の効果は期待できません。アルコールを摂取してしまうと分解のために肝臓で亜鉛を消費させてしまうので、体内の亜鉛はかなり不足してしまうことになります。

亜鉛の消費量が増える要因としては激しい運動や労働、病気にかかるなどがあげられます。

栄養士おすすめ簡単美味しいレシピ ~高野豆腐の卵とじ~

■栄養士からの一言

高野豆腐は保存食でもあり栄養満点です!普通の木綿豆腐に比べるとタンパク質も多く約7倍ほどあります。
保育園でも給食に出します。保育園児が高野豆腐なんて食べるかな?と思っていましたが、「おかわり」の声もよく聞こえる人気の給食の1つです♪
食べると、しいたけなどの旨味が高野豆腐に染みていて噛むとじわっと口の中に広がります。
また、子供たちも大好きなハンバーグを作る際につなぎとしてパン粉をよく使用すると思いますが、代わりにすりおろした高野豆腐を使用するのもおすすめです😊

■材料(2〜3人前)
高野豆腐2個
卵3個
ほししいたけ2個(水またはお湯で戻す)
にんじん1/4本
昆布5センチ角

水1カップ(干し椎茸の戻し汁を使う)
砂糖大さじ2
しょうゆ大さじ2
みりん大さじ2

■作り方

1、高野豆腐、干し椎茸を水やお湯で戻す。
2、高野豆腐、人参、椎茸、昆布を 1センチ角位に切る。

3、調味料を合わせ、耐熱容器に2、3を入れ、ラップをかけて600w5分加熱する。

5、溶き卵をまわし入れ、ラップをかけずに600w2分〜2分30秒加熱する。

6、完成!!!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

亜鉛は、成長を促進するためにも重要な役割を果たしています。
具体的には、妊娠中や乳幼児期、小児期、そして成長期の子供の生命維持および成長には亜鉛が必要だとされています。女の子は10歳頃、男の子は12歳頃から身体的な急成長を迎えます。この時に身長の伸びに従って、亜鉛が大量に消費されます。
その為、成長期に亜鉛が不足すると身長の伸びも悪くなると言われています。

またこの時期は思春期でもあり、反抗期がきて当然と思われている親御さんも多いのですが、実はただの亜鉛不足ということも考えられます。
(我が家にも思春期、反抗期真っ只中の男子がおります(ー ー;)
子供の反抗期が心配という方は一度採血をしてみるのもいいと思います。
亜鉛は体内で産生できず、貯蔵場所もないことから、毎日食事からとることが必要であり、汗からも流出するので、特に部活動などで激しいスポーツをする子供は亜鉛の排出量が増えることにも留意して食事をとることが必要です。
亜鉛などのミネラルの必要量は微量ですが、不足してしまうと様々な不調を招くと言われています。バランスの良い食事を心がけ、そこに効果的な食材をプラスしていきましょう。

ご一読いただきありがとうございました。
また次回のブログもお楽しみに^^

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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