初がつおと戻りがつおの違い

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旬の食材かつおです。
今年はカツオが安くて美味しいですね。

カツオは日本の食文化において非常に重要な魚であり、刺身やたたきとしてもよく食べられていますね。日本料理にはかかせないカツオ節や出汁にも使われますね。

カツオには「初がつお」と「戻りがつお」という2つの季節ごとの名称がありますが、これらは同じカツオでも味や脂ののり方に違いがあり、それぞれの旬が異なります。

【初がつおと旬】
「初がつお」とは、春から初夏にかけて漁獲されるカツオを指します。4月から6月頃に九州南部や四国、房総半島の沿岸にかけて北上するカツオが「初がつお」と呼ばれます。
この時期のカツオは、冬の間を南の暖かい海で過ごし、春に日本の近海に戻ってくるものです。冬場に餌をあまり取らず、また産卵前のカツオであるため、脂肪分が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。

初がつおは、脂の少ないあっさりとした味わいが魅力で、刺身やたたきにして食べるのが一般的です。特にたたきは、表面を軽く炙ることで香ばしさが加わり、ショウガやニンニク、ネギなどの薬味と一緒に食べると、カツオの風味を引き立てます。この時期のカツオは、栄養価的にもタンパク質が豊富でありながら低脂肪なので、ダイエットや健康を意識する人にも適した食材です。

【戻りがつおと旬】
「戻りがつお」とは、秋にかけて南に戻っていくカツオのことです。8月から11月にかけて漁獲されるカツオで、特に9月から10月頃が最も脂がのる時期です。
この時期のカツオは、夏の間に豊富な餌を摂取し、体内に脂肪をたくわえています。そのため、初がつおに比べて、戻りがつおは脂がのっており、濃厚でまろやかな味わいです。

戻りがつおは、刺身として食べるとその脂の甘みが口の中で広がり、濃厚な旨味を堪能することができます。初がつおとは異なり、脂が豊富なので、刺身だけでなく、照り焼きや煮魚にしても非常に美味しくいただけます。また、カツオ節として加工される際も、この脂が豊富な戻りがつおが重宝されることが多く、より旨味の強い出汁が取れます。


カツオの旬
カツオの旬は、初がつおと戻りがつおに分かれていますが、実際には一年を通じて漁獲されていて、季節ごとに異なる味覚を楽しむことができます。

「初がつお」と「戻りがつお」の違い
初がつおと戻りがつおの違いは、主に脂肪分と味わいにあります。初がつおはさっぱりとした淡白な味が特徴で、脂肪分が少なく、特に春の季節にはその爽やかな風味が好まれます。一方、戻りがつおは秋にかけて漁獲され、夏にたっぷりと栄養を蓄えた結果、脂が多く、濃厚な味わいとなります。

栄養面での比較
カツオは高タンパクでありながら、低カロリーであるため、健康志向の食材としても優れています。特にDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸が豊富で、これらは心血管疾患の予防や脳の健康維持に寄与するとされています。初がつおは脂肪分が少なく、ダイエット中の人に適している一方で、戻りがつおは脂肪分が多く、エネルギーを必要とする人や、より栄養価の高い食事を求める人に向いています。

また、カツオにはビタミンB群や鉄分が豊富に含まれており、貧血予防や疲労回復にも効果的です。さらに、抗酸化作用を持つビタミンEも含まれており、老化防止や美肌効果も期待できます。

カツオ料理の文化的背景
カツオは古くから日本料理において重要な位置を占めてきました。特にカツオ節は、日本の「うま味文化」の象徴とも言える食材です。カツオ節から取れる出汁は、味噌汁や煮物など、多くの日本料理のベースとなっています。また、土佐(高知県)で発祥したと言われる「カツオのたたき」は、今や全国的に親しまれる郷土料理として知られています。季節ごとの楽しみで味わえるのは嬉しいですね。


ラクラクかつおユッケ丼

◾️材料(3〜4人分)

かつお(刺身用)350グラム

◾️たれ
砂糖大さじ1
しょうゆ大さじ2
すりごま大さじ1
豆板醤小さじ1/2(お好みで)
ごま油大さじ1
おろしにんにく1かけ分

1、かつおは細切りにする。

2、たれを混ぜて1を漬け込む。
*卵(温泉卵、生卵など)をのせてお好みで海苔、ネギなどをのせて良かったら食べてください。

【栄養士 大塚先生より】
スーパーなどではカツオが切ってあるものが販売されていたりします。
包丁いらずで簡単にできるので、よかったら作ってみてください。
お子さんがいらっしゃる場合は、豆板醤は入れずに作っていただけるとお子さんも食べることができます。
初がつお、戻りがつおで作ってみてお好みを見つける楽しみもありますね!

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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