旬の食材 柿

柿は秋から冬にかけてが旬の果物です。
甘みや食感の違いが楽しめるさまざまな種類があり、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。


「 旬 」

柿の旬は、秋から冬にかけてです。
• 収穫時期: 早いものでは9月下旬から収穫が始まり、本格的な旬は10月から12月です。
• 旬の特徴: 秋にかけて甘みが増し、熟度が高まって食べごろとなります。完熟した柿は、果肉がとろけるような甘さで、特に11月頃には最もおいしい状態となります。



「 栄養素と健康効果 」

柿は栄養価が高く、健康維持に役立つ成分が豊富です。

・ビタミンC
柿はビタミンCが非常に豊富です。1個で1日の必要摂取量をまかなえるほどです。ビタミンCは免疫力を高め、風邪の予防や疲労回復、美肌効果も期待できます。柿は他の果物に比べてビタミンCの量が多く、意外ですが熟していない固い柿の方が多く含まれています。

・カリウム
柿にはカリウムが含まれており、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。むくみや高血圧の予防が期待されます。

・β-カロテン
柿にはビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは抗酸化作用があり、体内の酸化を防ぐため、老化防止やがん予防に効果があるとされています。また、目の健康を保つ効果も期待でき、視力低下の予防にも役立ちます。

・食物繊維
柿は食物繊維が豊富で、特に熟した柿にはペクチンという水溶性食物繊維が多く含まれています。食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ち、便秘の予防や改善に効果的です。また、血糖値の急上昇を抑える働きもあり、生活習慣病予防にも貢献します。

・タンニン
渋柿に多く含まれるタンニンは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、体の酸化を防ぐ働きがあります。熟すと渋みが抜けますが、干し柿などの加工でも渋みが減り、食べやすくなります。タンニンはお酒を分解するのを助けるとされ、二日酔いの予防にも役立つとされています。


「 柿の種類 」

柿には種類があります。しかも特徴がそれぞれにあります。主に「甘柿」と「渋柿」に分けられ、甘柿はそのまま食べられ、渋柿は干し柿などに加工して食べられることが多いです。

甘柿

・富有柿(ふゆうがき)
日本で最も一般的な甘柿で、甘くてジューシーな味わいが特徴です。10月下旬から12月頃が旬で、実が大きく、果肉がやわらかいのが特徴です。

・次郎柿(じろうがき)
富有柿に次ぐ人気の品種で、10月中旬から12月が旬です。形が四角く、しっかりした食感で、甘みが強いのが特徴です。果肉は固めなので、シャキシャキとした食感を楽しめます。

・刀根早生(とねわせ)
富有柿の早生種で、甘柿の中でも早い時期に収穫されます。9月中旬から10月中旬にかけて収穫され、さっぱりとした甘みが特徴です。

渋柿

・平核無柿(ひらたねなしがき)
渋柿の代表品種で、種がなく、干し柿に使われることが多い品種です。10月下旬から12月頃に旬を迎え、渋みが抜けやすく、干すことで甘くなります。特に「あんぽ柿」としても知られています。

・西村早生(にしむらわせ)
早生の渋柿で、9月中旬から10月中旬にかけて収穫されます。干すことで甘みが引き出され、柔らかくとろけるような食感に変わります。


「 柿に関する豆知識 」

干し柿と栄養価
渋柿はそのままでは渋くて食べられませんが、干すことで渋みが消え、甘みが増します。干し柿にすることで栄養価が凝縮され、ビタミンAや食物繊維が増加し、栄養価が高まります。また、カリウムや鉄分も豊富に含まれ、貧血予防やむくみ解消にも効果が期待されます。

・柿の葉茶
柿の葉はお茶としても利用され、柿の葉茶として親しまれています。柿の葉にはビタミンCが豊富に含まれ、血圧を下げる効果もあるとされています。柿の葉茶は、葉を乾燥させて煎じて飲むもので、冷え性改善やリラックス効果が期待されます。

・柿と二日酔い
柿は古くから二日酔い防止に使われてきました。柿に含まれるタンニンやカリウムが、アルコールの分解を助け、体外への排出を促進するためです。特に果汁がアルコールの分解に効果的とされており、飲酒後や翌日に柿を食べると二日酔いを軽減する効果が期待できます。

・「柿が赤くなると医者が青くなる」
日本には「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあります。これは、柿が熟す時期(秋から冬)になると、栄養豊富な柿を食べることで人々が健康になり、医者が困るという意味です。柿はビタミンやカリウム、食物繊維が豊富で、風邪予防や健康維持に役立ちます。

柿の色づきと甘さ
柿の果皮が鮮やかなオレンジ色に色づくことで、甘みが増したサインとされています。これはβ-カロテンが豊富に含まれている証であり、抗酸化作用の強さにも関係しています。


柿とさつまいもサラダ

◾️材料
さつまいも 1〜2本(300グラム)
柿 1個(200グラム)
マヨネーズ 大さじ2
レーズン 30グラム
プレーンヨーグルト 大さじ4

1 サツマイモ、柿は1〜2センチ角程度に切る

2 耐熱容器に1のさつまいもと水100ml入れ、電子レンジ600W3半〜4分加熱する

3 ボウルにヨーグルト、マヨネーズをよく混ぜ、水気を切って冷ました2、1の柿、レーズンを入れよく混ぜたら完成です!

【栄養士 大塚先生より】
今が旬の柿!そのまま食べてもサラダや和え物、デザートとしても美味しい果物ですね。

今回は、柿をサラダにしてみました。さつまいもとの相性もよく、ホクホクした食感で食欲が増します。

さつまいもは、なるべく大きさを揃えてください。レンジの加熱を均等にするためです。
レンジによっても加熱時間が変わります。
もし、さつまいもが固い場合は30秒ずつ延長してお好みの固さに仕上げてください。

秋から冬の旬の時期には、ぜひ柿を取り入れて栄養をたっぷりと摂取し、健康的な食生活を送りましょう。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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