秋の食材 かぼちゃ

かぼちゃの旬の時期、栄養素、保存方法、豆知識についての紹介です。


1 旬の時期

かぼちゃには大きく分けて「西洋かぼちゃ」と「日本かぼちゃ」の2種類があります。一般的にスーパーなどで多く見られるのは、甘みが強くホクホクした食感の西洋かぼちゃです。日本かぼちゃは甘みが薄く、煮物に向いているといえるでしょう。

• 収穫時期: かぼちゃは夏の野菜です。7月から9月頃に収穫されます。
• 旬の時期: 収穫後に追熟(貯蔵して甘みを引き出す過程)させるため、実際においしい旬の時期は秋から冬、特に10月から12月です。この時期のかぼちゃは甘みと栄養が増し、味が濃くなります。

収穫時期と旬の時期が違うのが面白いですよね。


2  栄養素と健康効果

かぼちゃはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、健康効果が期待される栄養がたくさんあります。

・ビタミンA(β-カロテン)
かぼちゃには、体内でビタミンAに変わる「β-カロテン」が豊富です。ビタミンAは、目の健康を維持し、視力低下を予防する働きがあるとされています。また、免疫機能の向上にも関与し、感染症の予防や皮膚の健康維持にも役立ちます。抗酸化作用もあり、体の酸化を防ぐことで、老化防止にもつながります。

・ビタミンC
かぼちゃにはビタミンCも含まれ、免疫力の向上や肌の健康維持に役立ちます。ビタミンCは加熱に弱い栄養素ですが、かぼちゃの場合、豊富なビタミンAやビタミンEが一緒に含まれているため、ビタミンCが加熱による酸化から守られやすいといわれています。

・ビタミンE
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれる抗酸化作用が強いビタミン。かぼちゃにはビタミンEが多く含まれており、老化防止や動脈硬化予防、血行促進に効果が期待できます。ビタミンEとビタミンA、ビタミンCが揃うことで相乗効果が生まれ、より強力な抗酸化作用が得られます。

・食物繊維
かぼちゃには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ち、便秘の予防や改善に効果的です。また、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるため、糖尿病予防にも有効です。

・カリウム
かぼちゃにはカリウムも豊富です。カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。

3. 保存方法

かぼちゃは収穫後も長く保存ができる野菜です。
保存状態をよくするためのポイントをいくつか紹介します。

・常温保存
未カットのかぼちゃであれば、冷暗所で常温保存が可能です。保存期間の目安は、1〜2ヶ月程度です。風通しの良い場所に置くことがポイントで、直射日光を避けるようにしてください。


・カット後の保存
カットしたかぼちゃは傷みやすいため、冷蔵保存が適しています。カットした部分が乾燥しないように、ラップでしっかりと包み、野菜室に入れます。冷蔵保存の場合、3〜4日が目安です。さらに長く保存したい場合は、カットしたかぼちゃをラップで包んで冷凍保存するのがおすすめです。


・冷凍保存
かぼちゃは冷凍保存も可能です。適当な大きさに切ってから冷凍することで、調理にも使いやすくなります。冷凍する際は、加熱してから保存すると風味が保たれやすくなります。冷凍したかぼちゃは1ヶ月程度保存が可能です。


4 豆知識


かぼちゃに関する興味深い豆知識をいくつかご紹介します。

・歴史と種類
かぼちゃはもともとアメリカ大陸原産の野菜で、日本には16世紀にポルトガル人によって伝わりました。その際、かぼちゃが運ばれてきた「カンボジア(現在のカンボジア王国)」から「かぼちゃ」と呼ばれるようになったとされています。現在、日本で一般的に流通しているかぼちゃは西洋かぼちゃですが、食感がしっとりしている日本かぼちゃも一部で栽培されています。

・ハロウィンのシンボル
かぼちゃといえば、ハロウィンの「ジャック・オー・ランタン」が有名です。ハロウィンの飾りに使われるかぼちゃは、観賞用のものが多く、食用とは異なる種類です。アメリカなどではこの観賞用かぼちゃが一般的に使われていますが、日本ではあまり食用には向かないため、飾りとして楽しまれることが多いです。

・かぼちゃの花や種も食べられる!?
かぼちゃの実だけでなく、花や種も食べることができます。かぼちゃの花は「かぼちゃの花の天ぷら」や「詰め物料理」に使われることがあり、味も美味しいと評判です。また、かぼちゃの種はローストして食べると香ばしく、ビタミンやミネラルも豊富です。種には亜鉛やマグネシウムなどのミネラルが含まれており、健康にも良いとされています。

・美容や健康にもおすすめ
かぼちゃの豊富な栄養素は、美容や健康にも役立つため、特に女性におすすめの野菜です。抗酸化作用が高いビタミンAやビタミンEが肌の老化を防ぎ、シワやたるみの予防にも効果が期待できます。また、便秘改善やむくみ解消の効果もあるため、健康的な美肌作りに貢献します。


カフェ風かぼちゃサラダ

◾️材料

かぼちゃ 1/4個(350〜400グラム)

チーズ       60グラム

レーズン 30グラム

マヨネーズ50グラム

1 かぼちゃの種とわたを取り、2センチ角に切る。

2 耐熱容器に1と水100mlを加え、ふんわりとラップをかけて電子レンジ600W6分加熱する。

3 チーズを1センチ角に切る。

4 2をざるにあけて潰し、3とレーズン、マヨネーズで和える

【栄養士 大塚先生より】
我が家では大人気のサラダです。
娘の大好物でかぼちゃが安いので今は2日に1回ぐらいは作っています。
ナッツなどを入れても美味しいですよ。
かぼちゃが切りづらい場合には、かぼちゃをラップに包み600W3〜5分ほど加熱して切ってみてください。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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