冬の旬の食材 大根

大根の旬は、寒さが増す11月〜2月の冬です。

寒い時期に育った大根は、糖分が増えて甘みが強くなり、みずみずしい食感が楽しめます。特に、霜が降りる頃の大根は「寒大根」と呼ばれ、より甘さが引き立つため、この季節ならではの味わいが魅力です。日本では煮物やおでん、鍋料理に使われることが多く、冬の食卓に欠かせない野菜ですね。

大根の栄養価

大根は低カロリーでありながら、多くの栄養を含んでいます。以下は、主な栄養素とその効果です。

1. ビタミンC

大根には抗酸化作用があるビタミンCが含まれており、免疫力の向上や風邪予防に役立ちます。ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、大根おろしなどの生で食べることで効果的に摂取できます。

葉の部分には根の部分よりも多くのビタミンCが含まれているため、葉も捨てずに活用するのがおすすめです。

2. 消化酵素(ジアスターゼ・アミラーゼ)

大根に含まれる消化酵素は、でんぷんや脂肪の分解を助け、胃腸の働きをサポートします。特に、消化不良や胸焼けを感じたときには、大根おろしにすると酵素が活性化し、消化を促進する効果が期待できます。

3. 食物繊維

大根には水溶性と不溶性の食物繊維が含まれており、腸内環境を整え、便秘の改善や腸活に役立ちます。腸内の善玉菌を増やす働きがあり、腸内フローラの改善にも効果的です。

4. カリウム

カリウムは体内の余分な塩分を排出する作用があり、むくみの予防に効果的です。塩分を多く摂りがちな食生活の方には特におすすめです。

明日誰かに話したくなる豆知識

ー 部位による味の違い ー

大根は一本の中でも、部位によって味や食感が異なります。用途に合わせて使い分けることで、料理の美味しさを引き立てることができます。
• 葉に近い上部:甘みが強く、サラダや浅漬けなど、生食に向いています。
• 真ん中部分:水分が多く、煮物やおでんなど万能に使えます。
• 先端部分:辛みが強く、大根おろしや薬味として利用するのが適しています。

大根の辛みは子どもなど苦手な方も多いですよね。これには理由があります。

大根の辛み成分は「イソチオシアネート」という物質によるものです。この辛み成分は消化を助ける作用があるほか、抗菌作用も期待されています。加熱すると辛みがやわらぎ、甘さが引き立つので、煮物や焼き物などにも適しています。

ー 大根おろしの魅力 ー

大根おろしにすると、酵素が活性化し、消化を促進する効果が高まります。また、大根おろしは揚げ物や焼き魚と一緒に食べることで胃の負担を軽減し、口の中をさっぱりさせる役割もあります。日本の伝統的な食べ方として、薬味として多用されてきた理由がここにありますね。

大根の保存方法

大根は、保存の仕方によって鮮度や栄養価が大きく変わります。以下に適切な保存方法を紹介します。

1. 常温保存(短期間の場合)
冬の涼しい場所であれば、常温保存も可能です。ただし、葉がついている場合は必ず切り落とし、根の水分が奪われないようにすることが重要です。その後、新聞紙に包んで冷暗所に保管すると、鮮度が長持ちします。

2. 冷蔵保存
• 丸ごと保存:葉を切り落とし、新聞紙で包んで野菜室に立てて保存すると、みずみずしさをキープできます。
• 切った場合:切った断面が乾燥しないようにラップでしっかりと包み、冷蔵庫に保存します。

3. 冷凍保存
大根は冷凍保存も可能です。
• 輪切りや細切りにして下茹で:冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。解凍後は煮物や味噌汁に使えます。
• 大根おろし:そのまま冷凍し、使う分だけ解凍することで、薬味や料理の付け合わせにすぐ活用できます。

冬の大根を楽しむちょっとしたポイント

旬の大根は甘みが強く、料理に取り入れることで一層美味しくなります。例えば、煮物やおでんではじっくりと煮込むことで旨味が染み込み、柔らかい食感が楽しめます。また、鍋料理では他の野菜や肉の旨味を吸収し、食材全体の調和を生み出します。さらに、サラダに細切りにして加えれば、シャキシャキとした食感がアクセントとなり、爽やかな風味を楽しめます。

大根は日本の家庭料理に欠かせない存在であり、栄養価が高く、調理法の幅が広い優秀な食材です。この冬は、旬の大根を存分に味わってくださいね!

簡単!時短!栄養レシピ「 鶏と大根煮」

材料(2人分)
鶏もも肉250グラム
大根1/4本(300グラム)
醤油20グラム(全重量の3.5%)
みりん20グラム(全重量の3.5%)

1 大根は1センチのいちょう切り、鶏もも肉は一口大(30グラム程度)に切る。

2 耐熱容器に1、醤油、みりんを入れふんわりとラップをかける。

3 2を電子レンジ600W11分加熱したら完成です!


大塚先生より一言
電子レンジで加熱しただけですが、大根に味が染みていて美味しくできました。
調味料は、しょうゆとみりんだけです。
大根の皮にもビタミンCなどの栄養が多く含まれているので、大根の皮は剥かずに、よく洗って使用しています。

彩りで大根の葉を入れてもいいですね。私は大根の葉はお味噌汁に入れました。

記事執筆者

大塚 智美

・現役保育園栄養士
・時短料理研究家

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